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□ノノハスイーツ
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あーあ。


「嫌だぁぁぁ!!」

なんでそう、嫌がるかな。

一生懸命作ったのに。



「やっぱり、ノノハの作るお菓子はおいしいよ。」

「ありがと、キューちゃん。」

「アナも好きー!」

「カイト、てめぇいらねーなら俺が食っちまうぞ。」


「俺はいらねー。」


さすがの私も少しは傷ついてるんだよ、カイト。






「余っちゃったなー。」

ノノハは、マフィンの入った箱を持ちながら、廊下を歩いていた。


「…食べてくれないよね。」

カイトに食べてほしい。

そう思って、一生懸命作ったのに。


「はぁ…。」


「ノノハ?」


顔をあげると、今まで考えていた奴が目の前にいた。


「か、カイト!」

「どうしたんだ、ため息なんかついて…って。」


そこで、カイトは私の持っていた箱を見た。


「それ、なんだ?」

「あ、これは…」


ノノハスイーツが苦手なカイトに、私が作ったマフィンだなんて言えない。


「あ、なんでもないの!もういらないものだから…。」


「なんでもないって、なんだそれ。」


カイトが箱を取ろうと手を伸ばしたから、慌てて背中に隠したら、箱が手からすべり落ちてしまった。


「あ!!」

「の、ノノハスイーツ!?」


カイトがすかさず箱から離れた。


…そこまで、嫌がらなくてもいいじゃない。


「カイトにはあげないから安心して!」

今にも倒れそうなカイトにそういい、廊下を曲がった。


 
 
 
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