ぬら孫
□夕日に誓って
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※完全な自己満&妄想です。
浮世絵町の空を一匹の鴉が飛んでいる。
その鴉は、奴良組の諜報員である三羽鴉の一人、黒羽丸である。
「夕日か、綺麗だ…。」
空がオレンジに染まっていく。
黒羽丸は、そのオレンジに染まった空をみて昔のことを思い出していた。
「あの日を思い出すな。」
ずっと、想っている…あの人に誓った日を。
***
それは、10年以上も昔。
まだ二代目が生きていたときの話。
「こんにちは!」
屋敷に響く元気な声。
その声の主は最近、奴良組にやってくるようになった若い人間の女子だ。
「鯉伴さんいますかー?」
「若菜様すみません、二代目は今おられなくて…」
「あら、そうなんですか。」
若菜は、しょうがなく奴良組の屋敷をあとにしようとした。
その時、ふいに上から声がした。
「また来てたのか。」
「あ、黒羽丸くん!!」
若菜に声をかけたのは、黒羽丸だった。
「黒羽丸くん、調度いいところに!」
今日も、お話しましょう?
そういって、降りてきた黒羽丸の手を引いて、いつもの庭の木の下に座る。