ぬら孫

□幸せの到来
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「鯉伴さん。」

鈴のように響く声。

「ふふ。」

太陽のような笑顔。


年端もいかないこの娘。


俺は・・・こんなにもこの娘に夢中なのか。



「鯉伴さん?どうかしたの?」

「いや、なんでもない。」


不意に声をかけられて我にかえる。

「そう?でね!」

そうして、楽しそうに学校の話を再開する若菜。



俺は・・・、この娘無しじゃもう生きていけないな。


そして、幸せにしたい。


この笑顔をみていたら、そう思った。







「結婚しよう。」

「え?」




そう思ったら、つい口が動いていた。


「若菜、俺と結婚してくれ。」

「鯉伴さん・・・。」

「俺、ずっと若菜と一緒に居たいんだ。」



急にだとは思ったが、思いが止まらなかった。

「鯉伴さんっ!」

若菜が抱きついてきた。

「うれしいッッ!!」

満面の笑みで応える若菜をとても愛おしいと思った。



「若菜、ずっと俺と一緒に居てくれ。」


「はい。」


小さい背中に腕を回したら、すごい暖かい気持ちになった。



「・・・好きだ。」


「私も・・・好きです。」





奴良組にきた、幸せ。



これから、二人の短いけど誰よりも幸せな人生が始まる。







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