ぬら孫
□雨上がりと君の笑顔。
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「若菜、どうして俺がここにいるってわかったんだぃ?」
たまらず、鯉伴が聞くと若菜は相変わらずニコニコしながら、
「なんとなく、です。」
と答えた。
「じゃあ、どうして明鏡止水を使ってる時の俺が見えるんだ?」
若菜は、それを聞くと一段と微笑んだ。
「私が鯉伴さんを好きだからです。」
若菜ははっきりと答えた。
「私が鯉伴さんを好きだから、どこにいるのかも分かるし、姿を消していても、見えるんですよ。」
鯉伴は一瞬目を見開いたが、すぐに納得した表情になった。
そうゆうことか…、と思った。
「あ!鯉伴さんみて!」
若菜がふいに声をあげて、空を指差す。
いつのまにか、雨は止んでいて空には…
「素敵な虹ですね。」
七色に輝く、虹ができていた。
「あぁ、綺麗だな。」
さっきの雨はまるで、若菜が虹に変えたかのように思った。
「さ、みなさんが待ってますんで帰りましょ。」
「そうだな。」
傘、入りませんでしたね、と言う若菜と自然に手を握り歩きだした。
雨上がりには綺麗な虹があった。
でも、それよりも綺麗な君の笑顔があった。
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