ぬら孫
□冷たいのは冬のせい
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「たっく、お前はなにしてんだ、みんな帰りが遅いって心配してんだぞ。」
「あ…、ごめんなさい。」
遊びに夢中になり、すっかり忘れていた自分が恥ずかしくなり、若菜は下をむいた。
「まぁ、いいけどよ…って、若菜、お前びしょびしょじゃねぇか!?」
「え?」
若菜の黄色い着物は、雪が溶けてびしょびしょに濡れていた。
「あ、雪だるま持ち上げた時だ。」
「…手も冷てぇし、風邪ひくぞ。」
そう言って鯉伴は若菜に羽織りをかけ抱きしめた。
「り、鯉伴さん!?ぬ、濡れちゃいますよ!!?」
「んなこたぁ、どうだっていい。」
「で、でも」
「若菜が風邪引くよりだったら全然いい。」
「…鯉伴さん。」