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□ノノハスイーツ
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「ノノハさん!」


声をかけてきたのは、この前女男女混合のサッカーの試合に助っ人として参加した時のサッカー部の男子だった。

「この前はありがとう、すごく助かったよ!」


「いやいや、こちらこそ誘ってくれとありがとう。楽しかったよ!」

「よかった!…って、それマフィン?」


サッカー部の子がマフィンに気づいた。

「ノノハさんが作ったの?」

「うん!だからちょっと不格好だけど。」

「そんなことないよ!…ねぇ、一つもらっていい?」

「え、こんなのでいいなら…」

「ありがとう!…わっ、めちゃくちゃうまい!」


そんなに笑顔で言われたら、さっきまでの落ち込んだ気持ちもどこかへ消えていきそうだ。


「ノノハさんのお菓子は上手いって噂、本当だったんだ!」

「そ、そんな噂があるの!?」

「結構、話題になってるよ!…あ、俺そろそろ行かなきゃ…。」

「じゃあ、部活がんばってね!」

「おう!…あ、俺がノノハさんのマフィン食べたのみんなには内緒ね。」

「え、なんで?」


「他の奴がうらやましがるし、このマフィンすっげー上手いからみんなには内緒にしときたいの。…じゃあ、またな!」


そう言って、部活に向かっていった。


捨てるはずだったマフィンをあげたなんて失礼だったし、
あんなに喜んでくれるなら、また作ってこようかな…
と考えていたら



横から、手が伸びてきてマフィンを一つ掴んだ。


その手の主は、さっきまで壁に隠れながら聞いていたカイトだった。


「え、カイト?!」

「………。」

無言で、手にしたマフィンを食べる。


「ちょっと、どうしたの?」

「………うるせー。」

「無理して食べなくていいよ?」

「…うるせー。」


そういってカイトはマフィンを食べ終わった。

あんなに嫌がってたのに…。

どうしたんだろうと逆に心配になる。

 
 
 
 
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