ぬら孫
□夕日に誓って
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翌日。
黒羽丸は、いつものようにパトロールをしていた。
そして、下校途中の若菜をみつけた。
「若菜。」
「黒羽丸くん!!」
「ちょっと、一緒にきてほしい所があるんだが、いいか?」
「うん、いいけど…なんで?」
「この前のクッキーのお礼がしたい。」
「別にいいのに、黒羽丸くんは真面目だなー。」
「…お礼はするのは当たり前だろ。」
いつもの会話をしながら、向かった先は…。
「わぁ、綺麗!」
丘の上にある、小さな公園だった。
そこからは、今の時間帯、夕日が町をオレンジに染めるのを一望できた。
「若菜なら気に入ると思って。」
「すごく気に入った!ありがと、黒羽丸くん。」
夕日に照らされた若菜の笑顔は、とても輝いてみえた。
ふいに、その笑顔が消えた。
「ちょっと話聞いてくれる?」
「あぁ、…いいよ。」
「最近さ、不安なんだよね。」
「不安?」
「鯉伴さんは、私といて楽しいのかなって…友達はみんな、やめときなって言うし…たまに、どこか悲しい目をするの、鯉伴さん…。」
まだ、二十歳にもならない娘だ。
鯉伴とは、かなり歳が離れている。
それは不安にもなるだろう。