ぬら孫

□夕日に誓って
3ページ/7ページ





翌日。

黒羽丸は、いつものようにパトロールをしていた。


そして、下校途中の若菜をみつけた。


「若菜。」

「黒羽丸くん!!」

「ちょっと、一緒にきてほしい所があるんだが、いいか?」


「うん、いいけど…なんで?」

「この前のクッキーのお礼がしたい。」

「別にいいのに、黒羽丸くんは真面目だなー。」


「…お礼はするのは当たり前だろ。」


いつもの会話をしながら、向かった先は…。


「わぁ、綺麗!」


丘の上にある、小さな公園だった。


そこからは、今の時間帯、夕日が町をオレンジに染めるのを一望できた。



「若菜なら気に入ると思って。」


「すごく気に入った!ありがと、黒羽丸くん。」

夕日に照らされた若菜の笑顔は、とても輝いてみえた。

ふいに、その笑顔が消えた。


「ちょっと話聞いてくれる?」

「あぁ、…いいよ。」


「最近さ、不安なんだよね。」

「不安?」

「鯉伴さんは、私といて楽しいのかなって…友達はみんな、やめときなって言うし…たまに、どこか悲しい目をするの、鯉伴さん…。」


まだ、二十歳にもならない娘だ。
鯉伴とは、かなり歳が離れている。

それは不安にもなるだろう。


 
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ