頂き物

□二人の平和な日曜日(花鈴さまより)
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一週間の疲れをすべて拭い去るべく二度寝を 満喫していると、
ピンポンピンポンピンポー ン、と我が家のインターホンがしつこいほど 鳴り響いた。
そして聞こえる、幼なじみの声。



「カイト、起きてるー??鍵開いてるよね。入 るよ、カイトってば〜」



入る、と言いながらも俺がドアを開けるまで 待っているのは、ノノハの癖であり彼女なりの気遣いだろう。
欲を言えば、あまり大声を 出さずにおとなしく待ってもらいたいものだが。


「朝からうるせぇな、一回呼べば分かるっつ ーの」


「でもカイト、一回だと絶対また寝るでしょ 。それにほら、ちゃんと朝ご飯も作ってきた んだから!!」


ドアを開けると早速差し出された、ノノハ手 作りの朝食。
ノノハスイーツはまだ体が拒否 するけれど、普通の食事なら何事もなく食べ ることがでる。
むしろ一人暮らしで毎日自 炊は結構厳しいから、なんだかんだで彼女の
料理にはお世話になっていた。


「げっ、またネギが入ってる…」


「だって、こうでもしないとカイトの好き嫌 いは治らないじゃない」


「…ナイチンゲールとか言われてる割に荒療
治だよな」


「カイト、何か言った??」

「いや、別に」



料理の乗った皿を手にして思わず素直じゃな い感想を言えば、
靴を脱ぎながらもこちらに 視線を向けるノノハ。
からかいすぎると本気
で技をかけてくるから見極めが肝心だけど、
どうしても待ちきれずにちょっかいを出した
くなるのだ。
まぁそんな微妙な心情を説明したところで彼
女が理解できるかは分からないから、言わないけどな。

…なんてことを考えているうちにノノハは部 屋に入ってパズルをよせて机の上を布巾で拭
いて、あっという間に俺の食事スペースを確
保する。続いてベッドメイキング、こちらは ノノハ自身の座るスペースを作るため。
一人暮らしの狭い部屋、しかもパズルや本が 乱雑に置かれたままでお世辞にも片付いてい
るとは言えない部屋だから、俺が机でご飯を
食べる間ノノハが後ろのベッドで待っている 、というのはもはや慣れっこ…なのだけれど 。



ノノハは、これでいいのだろうか。



彼女に朝食をとったか聞けば、間違いなく肯
定の返事が返ってくるはずだ。
しかし、普通ならなるべく一緒に食べたいと
か思っているんじゃないだろうか。


「…よし、これで綺麗になった♪」



俺の疑問と裏腹にいつも通りのノノハは早く
もベッドメイキングを終えたらく、今度は
整ったベッドの上で横になりながらパズルと
にらめっこ。全く気にしていないように見え る…が、あくまでも「見える」だけであって
本心は分からない。アイツは、特にマイナス
の感情はあまり表に出さないところがあるか
ら。

だから…

「ノノハ、今日…折り畳めるようなテーブル
でも買いに行くか」


思い切って提案してみると、突然のことに驚
いたようなノノハの表情。

「えっ、どうして??」

「どうしてって…今までは一人暮らしだから 机で十分って思ってたけど、こうもノノハが
頻繁に来たら逆に不便だろ。
…飯も結局バラ
バラに食ってるし」

彼女のほうを振り返らずにそこまで言うと、
彼女もようやく真意を理解したらしく…

次の瞬間、急に笑い出した。



「あははっ、カイトそんなこと気にしてたの? ?」


「うるせぇよ、笑うな!!っつーか、何がおかし いんだよ」



尚も笑うノノハを思わず睨むと、ごめんごめ
んと謝った彼女は理由を述べる。

「だって、一緒に食べるなら私の家で事足り
るし…それに私、カイトの布団が好きなんだ 」



…は??


前者は納得できるが後者は理解できない。俺
の布団が好きなこととテーブルを購入するこ
とに、一体何の関係があるというのか。


すると、俺が必死に考えている様子を見かね たノノハはぽつりぽつりと言葉を続ける。



「こうしてカイトの布団に寝転がると、カイ
トの匂いがするの。私はそれがすごく落ち着
くんだけど…テーブルを用意したら、
その機 会も減っちゃうでしょ??だったら無いほうが
いいかなぁって」



にこりと微笑む彼女の頬がほんのり赤いのは 、気のせいか自惚れか、
それとも真実か。
その答えは、今の俺にはまだ分からないけれ
ど。


「…ありがとな、ノノハ」


「どういたしまして♪」




もうしばらくは今の生活がいいかもしれない …ノノハにとっても、俺にとっても。


ふと目線を下に向けると、ネギだけが残った 皿。苦手だと知っていながらも彼女がこれを
入れるのは、俺がいつか克服できると信じて
いるからだろう。
…それなら、俺はノノハを
喜ばせるしかない。ひっそりと決意して、そ れらを口に全て掻き込む。
そして綺麗になった皿を見ながら、今日は二
人でどう過ごそうかと考えるのだった。

fin.


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花鈴さま、許可くださいましてありがとうございます!

カイトとノノハがかわいすぎて・・・。
悶え死ぬところでした。←
二人で同居すれば問題ないんじゃね!?
って、つっこんでました(笑)


本当にありがとうございました!

 

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