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□揺らぐ覚悟
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「パズルタイムの始まりだ!」


カイトはそう意気込んでパズルに挑んでいく。


人殺しのパズルに。


でもカイト、私は不安なんだ。




POGの一件が終わり、最近はオルペウスオーダーという新しくカイトを狙う人達がでてきた。


そして、カイトはその人達が作り上げた人殺しのパズルに挑戦していく。



カイトに解けないパズルなんかない。


ずっとそう思ってきた。


今でもそう思っている。




でも・・・


もしも、カイトがパズルを解けなかったら・・・ということが頭を過ぎる。



「カイト・・・。」



そして、今日フリーセルと会ったときのことを思い出し、目を閉じた。




「井藤ノノハさん、だね。」





「あ、あなたは!!」

「そんなに身構えなくていいよ、なにもしないからさ。」

「なにしにきたの・・・。」

一歩一歩後ろに下がる。


しかし、ノノハが一歩下がるたびにフリーセルも一歩近づいてくる。


「ノノハさん、君もカイトに約束を破られたんじゃない?」

「え・・・」

「置いていかないっていったのに、カイトは君を残してひとりで行ってしまった。」

「・・・。」

「なぜだかわかるかい?」

気がついたら後ろには壁があり、もう後ろには進めないようになっていた。


「それはね。」


フリーセルの手が私の頬にふれた。
そして、耳元で静かに囁いた。



「君がパズルも解けない、足手まといどからだよ。」




それは、一番気にしていることだった。


そんなことない。



そう思いたい、だが身体が脳がゆうことをきかない。


思わず座り込んでしまった。


「ふふっ、僕はそれだけいいにきたんだ。

苦しくなったこっちへおいで、君の隠された才能を目覚めさせてあげるから・・・。」


フリーセルが去ったあとも、なかなか立ち上がれなかった。





目を開けると自然と涙がこぼれた。



カイト。


私は・・・

私は、どんなことがあってもカイトの傍にいるときめた。


でも正直、パズルもできないような私なんて足手まといだって思う時もある。



もし、カイトもそう思ってるとしたら私、がんばってどんなことでも役に立ってみせるから・・・


だから・・・




「傍にいさせて、カイト・・・。」


必ず、帰ってきて。



 



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