monohara
□壇くんのクリスマス **
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千馗の背中を見ている事しか出来ない。
いきなり俺の前に現れて、いつの間にか惹かれていた。
強い意志を持った人間。
ここまで俺の中に入ってきて、俺を掻き乱す奴は誰一人いなかった。
七代千馗を除いては。
まぁ、千馗自身はそんなつもりはねぇんだろうが。
「燈治…っ」
だから気になった。
こいつは何処まで俺を掻き乱すのか。
「……くっ…」
俺は千馗を屋上へ呼び出し、無理矢理押し倒した。
勿論抵抗はされたが、手を縛ってしまえばなんの事はない。
「…あぁ…っ」
それでも、千馗はどんな時でも千馗らしかった。
それが例えセックスの時でも、だ。
「やめ…っ、あ…ああっ−」
収まる事を知らない俺の中心は、何度も注挿を繰り返す。
肌がぶつかりあう音がこだまする中、その度に、千馗の口から高い喘ぎ声が漏れる。
「は…あっ、あっ…っ」
その声に俺は煽られる。
普段、凛と佇んでいるだけに、俺の下で股間を曝け出して貫かれている姿もかなりエロい。
やっぱり、こいつは無意識のうちに俺を引き込んで行く。
「ふぅ…んっ、んっ…あ、ぁあ、んっ」
千馗の後ろは、俺が2度吐き出した精液でくちゅくちゅと泡立ち、見るだけでもそそられる。
「も、いいだ…ろ…、ぅあ…っ」
「まだ、いいじゃねぇか…っ」
抗議する千馗に、俺はまだ足りないと、一際大きく千馗の最奥へ突く。
「お前だって…物欲しそうに…ヒクついてんじゃ、ねぇか…っ」
「…俺は…もう、いい…」
勝手にいいようにされている事への悔しさなんて感じてないんだろう。
千馗は俺を睨んでくる。
だが、勃起した中心が解放を求めて震えている上に、腹には俺が最初に放った精液。
睨まれても、いつものように迫力はなく、俺を煽るだけだ。
「っ…ンんっ…、ふ…ぅっ」
生理的に流れる千馗の涙を舌で拭いながら、俺は千馗の中心を一気に扱く。
張り詰めたそこは呆気なく達し、俺も続いて千馗の中に放つ。
「千馗…」
解放されて脱力したのか、千馗は俺に足を預けたまま肩で呼吸している。
「……千馗。俺は結局、譲れない何かを持つ事にまだ躊躇してるんだ」
無理矢理抱いたのは後悔しない。
シラフじゃ言えねぇからなと、そんな言い訳をしてみる。
「…いきなり…何だ」
「笑わずに、聞いてくれるか?」
まだ呼吸が整わない千馗は、語り出した俺の方を見て頷く。
「…その前に」
「その前に?」
「抜け」
千馗の言葉に、俺はまだ挿れたままだと言う事に気付いた。
「あ、悪い」
「…んぅ…っ」
抜く瞬間、千馗の背中が反る。
しかも、抜くのと同時に千馗の後ろから、俺が吐き出したものがドロッと零れ出てきた。
それがまたエロくて、萎えていた俺の中心はまたも空を向く。
「…わり、もう1回―っ」
「な…っ?!…あぁ…んっ…」
「………最悪…」
俺は股関の辺りに気持ち悪さを覚え目が覚めた。
どうやら、夢、だったらしい。
それが残念だったような、夢で良かったような。
と。言うか夢の中の俺はただの変態じゃないか…!
でも、あれが、本音…なんだよな…
あいつを抱いて鳴かしたい。
俺だけのものにしたい。
まあ実際、あいつを押し倒すなんて出来るわけねぇよなぁ…情けない話だが。
でも実際俺は興奮した。
下着の中に手を入れるとその興奮具合がよくわかる。
下着も中心も濡れまくってて、夢精…なんてレベルじゃなかった。
「燈治…っ」
やべぇ…
思い出すとかなりクる。
夢の中の千馗を思い出しながら、俺は勃起した中心を握り、ゆっくりと擦った。
12月25日。
今日は終業式。
あいつはもしかしたら鴉乃杜からいなくなるかもしれない。
その前に、あいつに言いたい事がある。
そして俺は、あいつにメールを打つ。
***
「…なぁ、千馗。笑わずに、聞いてくれるか?」
「ああ」
「あと、隠し事するのは性に合わねぇ。だから全部話すが、聞いた後で殴」
「分かったから早く言え」
殴ってくれと言おうとした俺の言葉を遮って、千馗は話をさせようとする。
やっぱり、こいつは何処まで言っても、七代千馗という男だ。
だから俺は、こいつに相応しい相棒になる。
殴られるのを覚悟して、俺は自分の思いと夢の出来事を全部話した。
END