ムーンナイトに華を
□平穏な日常
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ああ、朝か
ぼんやりとした頭でそんなことを思いつつ、悠里はベッドから身を起こした
悠利が通っている学校、帝都男子高等学園は全寮制の私立校で、偏差値が高くまたお金持ちの通うエリート校とされている
だがその実、小、中、高とエスカレーター式で、小、中、高共に男子校なため、学園のほとんどの生徒がホモやバイである
そんな学校に通い始めてちょうど1年経つ悠里は1年間やってきた習慣を今日の朝もやるのである
身なりを整え、制服を着てビシッと第1 ボタンまでしめて、キュっとネクタイもしめる
そして、(少し髪が長い)黒髪のカツラと黒縁眼鏡を着ければ、学園での【峰岸 悠里】が完成する
さすがにこのままでは眼前が隠れてただのオタクに見えてしまうので、長い前髪を左で分けて右に流す
これで少しはましになるのだ
そうして、あたかも優等生であるように演じながら、寮を出るのである