ストーリー

□野良猫みたいなあの子。
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「皆、静かに…急な事だが、転入生を紹介する…猫柳、入りなさい。」

担任に言われて入って来た少女は黒猫を

思わす、黒髪にレイヤーショートに

気の強そうなアーモンド型の瞳だった。

「「「ちっちゃ!!」」」

「こら、お前ら…猫柳」

『猫柳李晦です、よしなに』

「うん、Tohyaの横の席な…Tohya挙手」

「あっはい!!」

Tohyaは担任の言葉に慌てて手を挙げる。

李晦は頷くとTohyaの隣の席に座る。

「オレ、Tohya…そう呼んで!!…りっちゃんって呼んで良い?」

『…うん、好きに呼んで』

「りっちゃんは何処から転入して来たの?」

『…金沢』

「金沢って石川県?」

『…コクン』

「オレ、ウザい?」

『…まだ、大丈夫』

「そっかぁ…教科書見える?」

『…うん』

昼休み、李晦はクラスメイトに囲まれていた。

「何処から来たの?」

「彼氏は居たの?」

「何でこんな時期に転入して来たの?」

『金沢、居ない、親の転勤…もっいい?』

李晦はそう言うと教室を出て行く。

「何あれー」

「なんか、感じワル」

Tohyaは李晦の出て行った扉を見ていた。




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