短編小説
□叶わない恋…
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俺は物心ついたときから叶わない恋をしている…
誰にもいえない、言ってわいけない…
…俺は兄貴に恋してるんだ…
男と言う前に家族、血縁者である
ただ好きなだけなのに…
この恋は誰も許してはくれない…
…伝えたい…でも出来ない…
「…なんで慶也と兄弟なんだろう…兄貴が赤の他人だったら…!」
俺の目からは涙が溢れていた…
「俊哉…どうした?大丈夫か?」
「困ったことがあれば俺に言えよ!兄貴なんだから」
「俊哉が寂しそうだと俺も寂しいな…」
弟の俺に向けられた言葉の数々…
その言葉一つ一つが胸に突き刺さる…
突き刺さった刃は抜けずにずっと心にあるんだ…
心は血を流し続けやがて、溢れてくる…
どうして?なんで?兄貴!!
俺の気持ちに気付いて!
俺の気持ちに気付くな!
優しくするな!
優しくして!
俺の中でさまざまな気持ちがせめぎあっていずれまた涙となって溢れるんだ…
兄貴…どうしても伝えたくて、でも伝えたくない言葉があるんだ…
「愛してる…」