長編

□04
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ある日の放課後、たまたま席が近くでよく話すようになった平助くんに連れられ、剣道場にやってきた。

少しだけ緊張していたけど、剣道部の皆さん(主に可鈴先輩)が快く歓迎してくれたおかげで、私は入部初日ですっかり剣道部に馴染むことができた。

その初日に、さっそく可鈴先輩と一緒にマネージャーの仕事をしていると、ふと道場の扉が開いた。

誰かと思って扉の方を見てみると、思わず作業をしていた手が止まる。

だって道場に入ってきたのは、私が迷子になった時に桜の木の下で出会った人だったから。

彼の姿を見て、私の心臓はドクン、と跳ねた。



『翔、遅いっ!!』
「わりーわりー!」



可鈴先輩が彼に叫ぶ。するとそそくさと部室に入っていく翔と呼ばれた彼。

彼も練習に加わり、しばらくしてから休憩時間に入ると彼は突然私の方へ向かって歩いてきた。



「なぁ、お前…この前会ったよな?」



彼に話しかけられて、少し焦ってしまう。



「は、はい!私、今日からマネージャーなんです。よろしくお願いします!」
「おー、俺は白石翔っていうんだ。よろしくな、雪村。」



そう言うと、平助くんに呼ばれて練習に戻っていく彼。
…私の名前、覚えてくれてたんだ。
そう考えると、無性に嬉しくて頬が緩んだ。




彼との再会

(どうしたの千鶴ニヤニヤしてー)
(えっ、いや、これはその…!)
(可鈴の顔の方がよっぽどにやついてると思うよ、僕は。)
(なにそれひどい総司)


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