長編

□06
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どうしよう。
なんであたしがここまで深刻になってるか?
それはズバリ、定期的にやってくる強敵、通称テストと呼ばれるもののせいである。



『もーいやだぁぁあテストなんて爆発しちゃえばーかばーか』
「ちょっとどうしたのさ可鈴」
『総司ぃー…』



テストが嫌すぎて嘆くあたし。
いつものごとく、総司はあたしの頭を撫でながらあたしを慰めてくれる。



「でもなんだかんだでいつもそれなりに良い点とってるじゃない。今回も大丈夫だよ。」
『ありがとう総司。でもあたしは狙いすましたように古典だけ赤点をとる総司の方が凄いと思うよ。』



剣道部はいつもテストが始まる3日くらい前から部活の時間に皆で勉強会をする。もちろん土方先生の配慮で。
家では勉強をしないあたしにはとてもありがたい時間。
今日から勉強頑張るぞ、と意気込んだのはいいけど、目の前のプリントを見ると前言を撤回したくなる。

放課後になり、剣道部員があたし達の教室に集まると勉強開始だ。



「よし、全員揃ったな。じゃあ各自始めろ。」



土方先生の言葉でみんなは勉強に取り掛かる。
あたしも最初のうちは集中して数学の問題を解いていた。
しばらく問題を解いて、少し休憩のつもりでシャーペンを置いた…のが間違いだった。
そして何気なく総司が座っている隣の席を見ると…



『ふ…っ』



それを見て思わず笑ってしまった。
だって、総司の机にある古典のプリントに土方先生らしき絵が描いてあるんだもん。

笑っているあたしに気付いた総司は、そのプリントを渡してくる。
近くで見るとますます似ていて、思わず前の方にいる土方先生とプリントを見比べてしまった。



『や、ば…っ!』
「おいお前ら。なに笑ってやがんだ?」



そう言いながら土方先生はこっちに向かって歩いてくる。



『(あ、やば…)』




落雷

(総司ィィイ!!)
(もう、うるさいなぁ)


.
 

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