短編

□あなたの背中
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『あれ、』



朝、たまたま平助と遭遇した。

まぁ、それ自体は別にいつもの事だし、驚くことはないんだけど…



「お、名前、おはよー」
『おはよう…どしたの、それ。』



そう言って私が指差したのは平助の側にある自転車。

彼はいつも歩いて学校に来るのに、今日は珍しく自転車通学らしい。



「んー、まぁなんとなくな!」
『ふぅん…』
「んなことより、今日は部活休みだから一緒に帰ろうぜ!」



そう言って私にキラキラと輝く笑顔を向ける平助。

私は断るわけもなく、頷いたのだった。



*******


そして放課後。

約束通り、私と平助は玄関で待ち合わせて学校を出た。

校門を出てから、平助は自転車に跨がり自転車の荷台を指差した。



「乗れよ」
『え、いいの?』
「あたりまえだろー?」



平助の言葉に甘え、私は言われた通りに自転車の荷台に跨がった。



「………」
『…平助?』



平助は荷台に跨がった私を見たまま、口元に手をあてて黙ってしまった。



『平助?どうかした…?』
「や、なんつーかその…」
『なによ』
「その…なんかエロいな…」



平助が顔を真っ赤にしてそう言うもんだから、なぜか私まで恥ずかしくなってしまった。



『ば、バカな事言ってないで早くこいで!』
「分かってるって…よし、じゃあしっかり掴まってろよ!」



平助はそう言って私の手をとると、自分のお腹に回させた。

私はものすごい密着度にドキドキしながら、口を開いた。



『今日、なんで自転車なの?』
「あー…」



私が訊けば平助は気まずそうに頭をかいた。



『言えない事?』
「いや、そういう訳じゃねーんだけど…」
『けど?』
「ただ…お前とこうして2人乗りがしたかっただけっつーか…」



あ、耳が赤い。
照れてるんだ …



『平助くんかーわいっ!』
「なっ…」



私が強く抱きつくと、平助は少しよろけた。



『わ、危ないなぁ…』



私がそう言うと同時に平助はブレーキをかけた。

信号でもないのに止まった平助を不思議に思い体を離すと、平助は少しだけ緊張したような表情で振り向いた。



『平助?』



平助はなにも言わず、顔を近づけてきた。

そのまま重なる唇。



『…っ』



私はともかく、平助は自転車に跨がったまま後ろを向いている訳だから、かなりキツイ体制をしていると思うんだけど…

そんな心配をよそに、平助は調子に乗ってだんだん口付けを深くしていく。



『んん…っ』



外でこんな事をするのは正直どうかと思う…けど、キスをやめる気はない。
私も、平助も。

周りに人もいないし、もう少し…もう少しだけ…



『ふ…ん…』
「…あんまり…エロい声出すなよ…」
『だって…っ』



キスの合間に交わす会話。

平助は小さく笑うと、前を向き直し、ペダルを踏み込んだ。

そして私も、まだまだ成長期なその背中に抱きついた。





あなたの背中

(…名前…)
(ん?)
(その…背中に…む、胸が…)
(すけべぇぇえ!)
(う、うわぁぁあ!!)



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何を書きたかったのか自分でも
分からないです(^ω^`)


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