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バーナビーが教師、
虎徹(♀)が生徒な立場逆転のお話。
夕日が射し込む放課後の誰もいない教室
「あー…苛々する」
そう呟き、虎徹は爪先でガンガンと前の席を蹴りながら今日何度目かの溜め息を吐く。
今日は所謂クリスマスという奴な訳で、
虎徹は仲良さげに手を繋ぎながら廊下を歩く恋人たちに恨めしい視線を注ぐ。
「はぁ…」
だが、そんなことをしても何にもならず。
また一つ、虎徹は溜め息を零すと机に突っ伏し目を閉じた。
もちろん虎徹には恋人はいる。
だが今日一日、その恋人と会うどころかすれ違いもせずに時間が過ぎていった。
最初は偶然だろうと軽く考えていたが、時間が経つにつれ段々と不安になってきたと言うことは言うまでもない。
もしかして、自分を嫌いなのか
もしかして、自分は邪魔なのか
もしかして、自分の他に女がいるのか
考え出したらきりがない負の思考が頭をつらつらと駆け巡る
そんなことを考えたくないのに、どうしても考えてしまう自分に虎徹は嫌気がさす
「ばかバニーっ」
いつまでもそんなことを考えていても仕方ないので、緩む涙腺を必死で律し、虎徹は自分の鞄を掴むと教室を出た。
短いスカートを揺らし階段を降りていると呼び止められる、知らぬ声。
もしこれが彼だったらどれほど嬉しいことか。
と虎徹は思いつつも背中からする声を無視して歩き続ける。
が、
「待てよ!」
知らない男に手を掴まれ、虎徹は気持ち悪さに鳥肌がたつ。
それが嫌で振り払おうとするが、相手は仮にも男なので簡単には手を振り払えない。
どうしてこんな時にもアイツは来てくれないんだろう。
とうとう悲しくなり涙腺が決壊した虎徹は琥珀から涙を一滴零すと、男を突き飛ばしてその場から走って立ち去った。
階段を駆け降り
人をすり抜け
虎徹は手早く靴を履き替えると、玄関を抜け校門から出た。
と、同時に飛び込む花束
驚きに虎徹は急ブレーキをかけると、花束の奥に見える見知った顔。
涙で赤くなった瞳でキョトンと見上げると花束ごと抱きしめられた。
「…心配かけてすみませんでした、」
「バニーちゃん…?」
彼の話によると、サプライズで今晩自分をディナーに連れて行こうと数日前から計画を建てていて、バレないように今日は学校に来なかった、とのこと。
その話に虎徹は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をするそんな虎徹に心底すまなそうに顔を歪めると、彼は虎徹の手を引き近くにあった車にエスコートする。
「さぁどうぞ、お姫様」
見よう見まねの慣れない仕草が目立つ、
なんとも照れくさそうに笑った彼に、虎徹はまた涙が零れた。
「ばかバニー…っ!」
虎徹は力一杯、抱きついた
ladygrey
(幸せはこの手の中に、)
ずっと温めていたお話なので少し時差がありました…
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