Hello,New world!!

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その一冊が妙に気になる

赤混りの黒い外装。真紅のゴシック体で書かれた文字は見たことのない文字

頭の何処かでガンガンと警報が鳴り響くが、

―――駄目だ…。

意識とは違い、何かに操られるように身体が勝手に動いてその本を手に取った

開くと、何も書かれていない、真っ白なページ

「はぁ、びびったし。本当これ、なんだし……って、あ?」

ズルズルと音がしながらその真っ白なページの真ん中に表紙と同じ文字で現れた

「えっと…、せ、世界…?
"世界は巡る 世界は変わる"……?"ようこそ"――?」
『ようこそ新世界へ』

―――ぞくり
全身が総毛立つ視線を背後に感じる
視線を感じたと同時に掛けられた声。ばっ と振り返る
振り返ると同時に、視界がグニャリと異様に歪む
そのまま薄れていく意識で最後に感じたのは、ひんやりと冷たい床の硬さだった



×××

「うがっ」

目が覚めた。一番最初に見えたのは、青い空

―――ちょっと待て
起き上がり、ぐるり 視界を一周させて見ても、見えるのは青い空と薄汚れた壁と瓦礫。俺が最後に見たものは一つもない

―――もっと高い所へ
高い場所から見下ろせば、何か見知ったものもある筈だ。そう考え、慣れない瓦礫に足を取られながらも必死に高い場所を求めて走る

そう。これは――

「ただの夢。そうじゃなかったら、ちょっとした神秘体験が俺に起こっただけなんだ。……いや。神秘体験ってちょっとのことなの?」

自分でも何を言っているのか。頭の整理が全く追い付かない


「それでも、ちょっと…数十キロとか移動しちゃってただけ……だ、から…?」

一際高い瓦礫の上。見える景色は、先程から何も変わらない瓦礫。廃墟
そして、その造りも、日本からはかけ離れた洋風なもので……

「ほえあー あむ あい」

――マジで此処どこだし










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