Hello,New world!!

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一際高く瓦礫が積まれた山から見える景色は、寂れたというより、死んだ。と言った方が似合う瓦礫と廃墟の作る街らしきものだ


「……ほえあー あむ あい」

――さて、まずいことになった





×××

その日は、春にもかかわらず雪が舞う異常な日だった

「寒い。寒過ぎる……寒っ!」
「うるせぇな」
「だって、この寒さで防寒対策がマフラーだけとか死ぬし。お前、暖かそうだし。こんな寒いなら、もっと厚着すれば良かったし」
「こういう時、制服ないと便利だよなぁ」

他愛のない、いつも通りの友人との会話。登校

俺は、特殊なことが何一つ無い当たり前の世界の普通の高校生だ



……ごめん、前言撤回
普通じゃない。普通だけど、普通じゃない

治りようのない、治療法のない病に……"厨二病"という病に冒された高校生である



「しっかし、お前オカシイよな」
「何が?」
「頭」
「ひでぇ!」
「確かに、中身もおかしかったな」
「やっぱ、ひでぇ!!」
「普通さ。髪を斑に染める馬鹿いねーよ。いくら、私服・脱色・ピアスが自由な学校とはいえ馬鹿だろ」
「見た目とか素行が悪くても、難関校には行けるんですー」

しょうもない話して、馬鹿笑いして、刺激のないつまらないながらも平和で楽しい毎日が―――

「俺、本屋行きたいからまたな」

―― 一生続くんだと思ってた












「寒いなぁ」

変わらず降り続ける雪を頭に肩に積る。唯一の防寒具であるマフラーに顔を埋めようとしていると

「―――あれ?」

知らないレトロな趣のある店の前にいた

「此処どこだし。んー…ま、いっか!しかし、洒落てて……ビブリア古書堂みたいな?…いや、知らないけどね」

洋風の造りの外観。中と外を隔てるドアのノブに手を掛け回す

カランコロン とよく喫茶店などで見掛ける(耳にする)ベルに迎えられ、中に入ってみると、背の高い棚に隙間なく並べられた薄汚れた本達。そして、黴っぽい臭い。
窓の少ない室内は、雪の影響でいつもより暗い室外から差し込む光と、心許無い裸電球で暗く不気味である

「思ったより広いな」

外から見たよりは、随分奥に広がっていて向こうの壁が見えない

カツン カツン と足音を響かせ、首を左右に動かして背表紙を見て奥へ進んで行くと、一冊だけ

「なんだ……これ?」






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