魔法少女リリカルなのは

□Fate
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母さんがいなくなってしまってから月日は流れて、今はなのはと共に闘っている。

なのはと過ごす時間はとても楽しいし、大切な時間。
けれど、そんな中でふと思い出す、母さんのこと。そして、私自身のこと・・・。

私は母さんの本当の娘ではなくて、亡くしてしまったアリシアお姉ちゃんとそっくりな人造人間。

結局お姉ちゃんと同じなのは顔だけで、母さんが望むような娘にはなれなかった。

だから私の名前はそのプロジェクトの名前をとって『フェイト』・・・。

母さんにとって私はただの人形で、出来損ないの必要のない存在だった。

今の私は・・・?
なのはは私に始まりをくれた。
私は、なのはに何かしてあげれているの?
私は、なのはに必要な存在なの・・・?

最近はこんなことばかり考えてしまう。

なのはが私から離れていってしまったら、と思うと胸がしめつけられる。

ずっと、一緒にいてほしいと願ってしまう。

この感情を、何と呼べばいい・・・?

――――

「フェイトちゃん、私今日は塾の日だから、先に帰ってて。後で一緒に練習しようね!」
「分かったよ、なのは。いつもの場所でね」

教室でばいばい、と手を振ったあとひとりで帰り道を歩く。

いつもはあっという間に感じる道も、今日は長く感じる。

寂しいとか、つらいとか、前はどうやって誤魔化してたっけ?

なのはは優しくて、あったかくて。

「誤魔化しかた、忘れちゃった・・・」
『―ter』
『Master!』

バルディッシュの声に気が付き足を止める。
目の前を車が通過した。

赤信号、気づかなかったんだ。
バルディッシュをポケットから取り出す。

「ごめんね、バルディッシュ。心配、かけちゃったね」
『Don't worry.』

「ねぇ、バルディッシュ。今までずっと一緒にいたからわかるよね?私、今までどうやってきた・・・?」
『Master.There is no nee d to worry.』(マスター、心配する必要はありません)

『Because you aren't
alon any more.』
(なぜなら、あなたはもう独りぼっちではないのだから)
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