きつねさんとうさぎさん
□e'ternite'
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1月15日
自分で言うのも何だけど今日は私の誕生日
それでわざわざ律とのデートを15日にしたんだ
何故か分からないけど、最近律はあんまり部活にも来ないし休日も全然会っていなかった
それが寂しかったんだけど、今日のことを考えれば我慢できたんだ
ヴーヴー・・・
「ぁ・・・!」
時計が12時を回り、軽音部の皆からは次々とお祝いメールが来るなか、私が一番待っていた人からは届くことは無かった
「あ、和からだ・・・『お誕生日おめでとう』か」
真っ暗な部屋に些か不似合いな明るさを放つ携帯電話をぎゅっと握りしめて布団にうずくまる
なぁ、律?
和からも来たんだぞ?
お前は送ってくれないのか忘れているのか?
そんなマイナスな考えてばかりが頭を巡って、段々と胸が苦しくなってくる
いいや、明日は会えるんだ。と自分の心に言い聞かせて眠りについた―――
ふと目が覚めて握ったままね携帯電話がチカチカと黄色のイルミネーションが点滅していることに気づいて急いでメールのフォルダを開いた
カチ・・・ピッ
「ぇ・・・?」