涙染(ルイセン)
□天体観測部
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あれから何故かチカも体験入部をしたいと言い出し、私と由希とチカ、幸村君と猿飛君の五人で部室へ向かう。
部室を開けると資料を読んでいる政宗がいた。
そう、政宗も天体観測部員なんです。
『Ah?てめえら何だ?』
「体験入部っていうか…、仮入部員だよ!ね、由希!」
「うん、そう!」
私達の後ろで政宗に気付いたチカが目付きを鋭くする。
『てめえ、伊達じゃねえか』
『Ha!!なら、どうした?!』
え、何?いきなり喧嘩モードじゃん… って慌ててたら猿飛君が仲介に入る。
「はーい、可愛い女の子の前で二人共やめようねー。龍の旦那も落ち着いて、ね?ほらほら、元親の旦那も!」
猿飛君すげえええ!!
「と、ところで、今日は何するの?」
私が話題を持ち出す。
『そうだったな、週末の合宿の最終確認だ。』
「この部活は合宿などあるのでござるか?」
…ござる?
ちょっと気になるけどまあいいや。
そう言ったのは爽やかで少し童顔な幸村君だった。
まあ、そりゃあ気になるよね。自分が入部するかもしれない部活だもん。
「うん、天体観測部は普段はあんまり活動しない分の部費を合宿に当ててるの。で、合宿先で天体観測するんだよ」
由希が丁寧に説明すると「なるほど」と幸村君は納得したみたい。
に、しても合宿たのしみだなあ。