薬売りさんとの旅
□薬売りさんと私
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「お、おい!!その黒い下駄…おめえさん毒売りだな」
「ああ、まあ…」
「毒を売ってほしいんだが」
「何故?」
「人を殺したいんだ」
吐き気がする
「どのように?」
私は何をやっているんだろう
「これで、あいつは死ぬんだ…な」
「はい、解毒薬さえつくられなければ」
「解毒薬がつくられたら効果はなくなるのか?」
「そりゃ、解毒薬ですから」
「そうか…まあ大丈夫だろう。金だ」
「ありがとうございます」
客とのやり取りを終えて私はその場を後にする
「先ほどのものは…?」
私が腰をおろしたのは私がさっきいた場所とそう遠くはない団子屋
隣には薬売りさん
「亥酸というものです。拔草と杷草、それと間斗花の根をすりつぶせば」
「解毒薬のできあがり…ですね」
宿に戻り薬売りさんはさっそく解毒薬を作り始める
私は部屋の隅っこで三角座り
解毒薬ができるのをじっと待つ
「さあ、行きましょうか」
そして、またいつものように探しに出かける
私が作った毒の患者を