長編
□第4訓
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『トシ、総悟、退…準備は出来たか?』
右腰に刀をさしながら彼らに問いかける
十「あぁ…俺はいいぜ」
退「はい!問題ありません」
総「土方さんを殺したい程大丈夫でさァ」
『ハハハ、相変わらず総悟は元気でよろしい』
そう言って総悟の頭をポンポン、と撫でてやる
十「姉貴!ツッコめよ!どう聞いたっておかしい所あンだろうが!殺すとか物騒な言葉が混じってただろ!」
『トシ…総悟の殺すはトシに対する愛情表現だぞ?殺す=愛、に決まってんだろ?そんな事も分からないのかトシ?だから瞳孔が開いてンだよ』
十「瞳孔関係ねーから!つーか、姉貴も開いてるだろ!この開き具合は姉貴譲りだっつーの」
退「…………」
(なんだかどーでもいい会話が始まったよ…俺忘れられてない?やっぱり地味だからかな…)
(大丈夫でさァ山崎ィ俺も忘れられていまさァあの二人の会話には流石の俺でも入れないでからねィ)
(沖田さんでもそんな事があるんですね)
(何言ってんでィ山崎、俺は鏡夜さんに対してはいい子でいるつもりですからねィ…でなけりゃ鏡夜さんを嫁に出来ませんからねィ)
(まだ諦めてなかったんですね…でも俺も諦めてませんから)
(山崎のくせに生意気でィ)
(それはお互い様です)
『おい!総悟、退行くぞ』
総「へ〜い」
退「はい…て副長何があったんですか?!」
鏡夜さんの横に立っている副長を見たら右頬が思いっ切り腫れていた……
十「……山崎ィ野暮な事を聞くんじゃねェよ……」
退「分かりました…後で冷たいおしぼり持ってきますね」
十「あァ…悪ィな」
姉貴は本当に容赦ねェな…でも今時こんな事で殴ってくれる姉なんてそうそういねーし…
『トシ』
低い声で呼ばれて寒気を感じ…顔を上げてみれば顔の形相を変えた姉貴がいた…
『にやけてねーで行くぞ。総悟と退は先に行ったぞ…それともまだ殴り足りなかったか(ニヤ』
指の骨を鳴らしながら近づくとトシは顔を青くしてそそくさと私の前から去って行った…
『はぁ…トシの奴何考えてるかお見通しだっつーの…』
そう言いながら任務の為総悟達が待つパトカーへ急ぐのだった…