Short Story
□優越
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家で一人、ソファーに座りながらテレビを見ていた
ガチャ
「ただいまぁ」
弟の昂がリビングのドアを開け帰ってきた
帰ってくる筈のない時間に声が聞こえ困惑した俺は
「ぁ、おかえ、り…?」
思わず疑問系に返してしまった
俺がパニクっているのが分かったのか昂は微苦笑しそのまま俺の隣に腰を下ろした
「今日は早くあがったんだ」
にこりと微笑み伸ばされた手に引き寄せられ抱き締められる
「…そか…」
昂のスーツからは酒と女物の香水の匂いがする
人気NO,1ホストだから仕方ないが、それでも嫌なものは嫌で抱き締め返す気になれずされるがまま
「…風呂、入ってきな」
こんな状況が、自分の嫉妬が嫌で素っ気なく言う
「えー、やだ」
全てお見通しというようにクツクツと喉の奥で笑われ、優しくキスをされる
「…ね、いいでしょ?」
そっとソファーに押し倒され裾の中に手を入れてくる
「今日、だけ、だ、ょっ」
ピクピク反応しながら答えれば満足そうな笑みを溢し手を進めてくる
客に見せない本当の素顔で俺だけに引っ付いてくるのはとても優越感だ
そんな事を頭の片隅に起きながら俺は、現実の快感に身を委ねた