めいん
□俺様と変態とすれ違いと
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「別れよう。」
ある日、そんなことをザクロに告げられた。
「え?」
どうして、そんな急に?
俺様の頭の上に?が浮かぶ。
「せやから、別れようゆうてんねん。」
「な、なんでそんな急に…っ」
「せやから!嫌いだから別れようゆうてんねん!わからんの?ホンマむかつく奴やな。」
はっきりと放たれた言葉。
それが胸に突き刺さる。
どうして、なんで?
この間までは好きって、愛しとるって言ってくれてたぢゃん…
なのに、どうして??
「じゃあな、授業始まるし、行くで。」
「待っ……」
とっさにザクロの腕を掴む。
「…なんやねん…まだわからんの?もう俺ら続かんて…」
振り向かず、ザクロはそう言った。
ザクロの肩が小さく震えていた。
……泣いてる?
「ザ、クロ…っやだ…別れたくないっ…行っちゃ、やだっ…」
俺様の目からは滝のように涙が溢れ出てきた。
「……、離せ…」
「やだ!!」
「離せって!!」
ザクロが怒鳴り、びっくりして、俺様は掴んでた手を離した。
「…っ、もう…近づかんでくれ…」
そう言って、ザクロは行ってしまった。
俺様はその場に泣き崩れた。
*****
…あれから一週間。
当然のごとく、ザクロに近づいていない。
とある日の休み時間、、、
俺様は廊下をひとりで歩いていた。
ザクロが誰かと話しているのが見えた。
俺様は通り過ぎようとした…
けど…
-----------------ちゅっ
え?
ザクロじゃないほうがザクロにキスを、した。
「ザ、クロ…?」
思わず、名前を呼んでしまう。
「!?」
ザクロはこちらに気づいたようだった。
「…リウ、ス…なんでおんの?近づかんでゆうたやん」
ザクロの目はひどく冷たかった…
「…カ…バカ、バカ、バカ!!!
好きって、愛してるって、言ってくれたじゃん!!!何なんだよっ…もぅ…」
「ねぇ、リウスくんだっけ?君、ザクロにフラれたんならさっぱりあきらめなよ。」
ザクロにキスしてた男が俺様に向かって言った。
「は?」
「ザクロは僕のだから。ごめんね?」
ソイツの顔は笑ってた。
「龍鬼!」
…龍鬼…
それがこいつの名前…
「………もう、いい…じゃあね、ザクロ。」
何を言っても、どんなに俺様が思いを伝えても、ザクロは…帰ってこない