めいん

□俺様と変態とすれ違いと
1ページ/5ページ



「別れよう。」

ある日、そんなことをザクロに告げられた。

「え?」

どうして、そんな急に?

俺様の頭の上に?が浮かぶ。

「せやから、別れようゆうてんねん。」

「な、なんでそんな急に…っ」

「せやから!嫌いだから別れようゆうてんねん!わからんの?ホンマむかつく奴やな。」


はっきりと放たれた言葉。

それが胸に突き刺さる。

どうして、なんで?

この間までは好きって、愛しとるって言ってくれてたぢゃん…

なのに、どうして??

「じゃあな、授業始まるし、行くで。」

「待っ……」

とっさにザクロの腕を掴む。

「…なんやねん…まだわからんの?もう俺ら続かんて…」


振り向かず、ザクロはそう言った。


ザクロの肩が小さく震えていた。


……泣いてる?

「ザ、クロ…っやだ…別れたくないっ…行っちゃ、やだっ…」

俺様の目からは滝のように涙が溢れ出てきた。


「……、離せ…」

「やだ!!」


「離せって!!」

ザクロが怒鳴り、びっくりして、俺様は掴んでた手を離した。

「…っ、もう…近づかんでくれ…」


そう言って、ザクロは行ってしまった。



俺様はその場に泣き崩れた。








*****


…あれから一週間。

当然のごとく、ザクロに近づいていない。



とある日の休み時間、、、

俺様は廊下をひとりで歩いていた。


ザクロが誰かと話しているのが見えた。


俺様は通り過ぎようとした…

けど…


-----------------ちゅっ


え?

ザクロじゃないほうがザクロにキスを、した。


「ザ、クロ…?」

思わず、名前を呼んでしまう。

「!?」

ザクロはこちらに気づいたようだった。

「…リウ、ス…なんでおんの?近づかんでゆうたやん」

ザクロの目はひどく冷たかった…


「…カ…バカ、バカ、バカ!!!
好きって、愛してるって、言ってくれたじゃん!!!何なんだよっ…もぅ…」


「ねぇ、リウスくんだっけ?君、ザクロにフラれたんならさっぱりあきらめなよ。」


ザクロにキスしてた男が俺様に向かって言った。

「は?」

「ザクロは僕のだから。ごめんね?」

ソイツの顔は笑ってた。

「龍鬼!」

…龍鬼…
それがこいつの名前…


「………もう、いい…じゃあね、ザクロ。」


何を言っても、どんなに俺様が思いを伝えても、ザクロは…帰ってこない
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ