沖土

□sikc 2
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「ん…。ここは…っ!?」

案の定土方は拷問部屋に閉じこめられていた。
手は縄で吊るされて足も拘束されて動かない。
さらには、媚薬かなにか飲まされたんだろう。身体中が火照るように熱い。これから起きることを考えると怖くてたまらないはずなのに、体は相対して少し動くだけでも声が出そうになって腰にズクンとくる。
そんな感覚に困惑と恐怖を抱く土方がたった今恐れていた人物の声がした。

「あらら。もうたってまさぁ。」
「お前が…。お前が媚薬でものませたんだろ!?」

土方の目の前で椅子に座っている沖田が当たり前だとバカにするように鼻で笑った。土方がさらに口を開こうとした時だった。

「っあっ…!?」
「あんたが気絶してる間にローター突っ込んでおきやした。」
「ふざっ、けんな…!」

だが、媚薬を飲まされている以上怖くても体が感じているのは痛いほどに分かる。

「いい気味でさぁ。…足開きなせぇ。」
「なんでっ…」
「早く開けって言ってんでさぁ!」

沖田はそう怒鳴ってどこから出したのかムチで土方を思い切りひっぱたく。
土方が渋々足を開くと「いい子でィ。」と言って土方のモノを靴を履いたままの足でぐりぐりと踏みつけた。土方からは「ぐぁっ…。」と苦しそうな声が漏れるが体は感じているようでローターだけではりつめていた土方のモノはそれだけでイってしまった。

「な、んで…!?」
「あんた、痛いのが好きなんですねぃ。あ、アンタが汚したんだから靴舐めて綺麗にしろィ。」

土方は一度は抵抗しようとしたがムチで叩かれるのは嫌だ、と思い苦痛だが沖田の靴を舐めて綺麗にした。

「総悟…なんでこんなことっ…万事屋とはなにも…いっ!」
「つぎその名前だしたら…わかりやすよね?」

土方の頬に一筋涙が伝う。
純粋な恐怖だった。
だが、土方の心に広がったのは恐怖ではなく絶望だった。自分は恋人として沖田に信用されていないんだ、という思いがどんどん心を締め付けた。
そんなことを考えていると涙が滞りなくあふれてくる。

「痛くても泣いたって無駄でさぁ。」
「ちが、う…。痛くて…ないてんじゃねぇ…。」
「じゃあなんだっていうんでさぁ。俺が怖いんですかィ?」



────これでお前が気がすむならなんだって我慢してやろう。だけど…────



「総悟は…俺を信じてないんだろ?」
「え…?」

沖田は予期せぬ言葉に思わず素の反応をしてしまう。そんな沖田のことは無視して土方は溢れ出る涙も本音もとめようとはしない。

「だから、不安だから、俺にこういうことをするんだろ?」
「…れ。」
「だがな総悟、俺は…───。」
「黙れって言ってんでさぁ!」

拷問部屋にピシャリと沖田の怒声が響き渡る。
土方は一瞬驚いた顔になっていたがすぐに困ったような悲しい表情になる。
土方からは沖田の表情は見えない。だが沖田は、座っていた椅子から立ち上がると手を伸ばして土方を抱き締めた。

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