七夕拍手文(竹雷)




夜風で風呂上がりの火照った体を冷ましながら、縁側でしとしと降る雨を眺める雷蔵。

明日は七夕だというのに、どうやら明日も雨らしい…
シュンとして膝を抱えながらため息をついている

そんな雷蔵の隣で竹谷はだらりと座り、火照った体を涼ませていた。


竹谷「明日も雨ってなんでわかるんだ?」
雷蔵「コイツがゆうこと聞かないからね、間違いないよ」


そう言いながら髪の毛をもふもふと撫でた


竹谷「なるほどな(笑)でも明日も雨だったら何か悪いことでもあるのか?」


そう問いかける竹谷を、信じられないというような眼差しで見た雷蔵


竹谷「なんだよその反応は…」
雷蔵「え、ほんとにわかんないの?」
竹谷「明日遠足とか?」
雷蔵「…ハチの頭は一年生と同じレベルだね」
竹谷「お前は時々悪気がなく人を傷つけてるぞ」
雷蔵「やだなぁ、狙って言ってるんだよ(笑」
竹谷「腹黒い?!勘右衛門みたいなこというなよ!!」
雷蔵「あはは、冗談だよ」


笑いながらそう言い、体勢を変えると、またシュンとした表情に戻り空を見た


雷蔵「…雨だとね、会えないんだよ」


竹谷は頭に疑問符を浮かべた


竹谷「誰かと会う約束でもしてたのか?」


そう訪ねられた雷蔵は苦笑しながら答えた


雷蔵「7月7日。七夕の日は1年に一度、織り姫と彦星が会える日なんだよ。」
竹谷「………ぷ」


思わず笑いが出てしまい、そのまま大笑いし続ける竹谷。
雷蔵は恥ずかしくて顔を赤くし、まだ笑い続けている竹谷を一発殴った


竹谷「いや、笑いすぎた、わるいわるい。でもそんなことで鬱いでたのか」
雷蔵「そんなことで悪かったね」
竹谷「そう怒るなよ…そっか、明日は七夕か…」


空を見上げた竹谷につられて雷蔵も空を見た

しとしと降る雨はきっと明日も降るだろう。
暗い雲が2人の間を引き裂く…
1年に一度しか会うことができないのに……

雷蔵は切なげに空を見ていた
そんな雷蔵に気づいた竹谷は笑いながら言った


竹谷「会えるよ」


しかし雷蔵はシュンとしながら、天の川がでないと会えないんだよ…と、竹谷に言った
すると清々しいくらいの笑顔で


竹谷「それは雷蔵からは見えないだけで、どんなに厚い雲がでててもその上で星は輝いてるよ。それにさ、1年に一度しか会えないのに、雲や雨くらいのことで会うの諦められないだろ」


雷蔵は目を丸くして驚いた後、顔を赤くさせて竹谷の肩に頭をもたれかけた


雷蔵「ハチは時々恥ずかしいことを平気で言っちゃうよね…」
竹谷「恥ずかしいとか思ってないから平気で言えるんだよ(笑」


もたれ掛かってきた頭を包み込むように、竹谷もそっと頭をくっつけた
切なげな表情をしていた雷蔵の顔は、いつの間にか柔らかい笑顔に変わっていた


雷蔵「ハチはさ、もし僕と1年に一度しか会えなかったら、その日はなんとしてでも会いに来てくれる?」
竹谷「1年に何度でも会いに行くぞ!」
雷蔵「設定を無視するにもほどがあるよ(笑」
竹谷「1年に一度じゃ…足りないだろ?」


そっと優しいキスが降る

お互いに目を閉じ、毎日会える幸せを何度も感じながらキスをした

優しく押し倒した竹谷に、雷蔵はキスを止めて


雷蔵「ここじゃ…まずいでしょ」
竹谷「じゃ部屋いこうぜ」


満面の笑みでそう言われてしまったら何も言い返せない
顔を赤く染めて目線を合わせないようにそっと頷くのが精一杯だった。







毎日会える幸せ

肩にもたれかかれば優しく包み込んでくれる幸せ


幸せを当たり前のようにくれる君


きっと僕の方が



1日だって君とは離れられないんだろうな…




と、七夕の朝
横で幸せそうに眠りながら腕枕をしてくれる竹谷を見て雷蔵は思った。
腰をはしる痛みも幸せな痛みなんだとこらえながら…



おわり






[TOPへ]
[カスタマイズ]

©フォレストページ