海賊

□花盗人に罪はなし。
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海賊船、サウザンド・サニー号。

これが海賊、麦わらの一味の船の名前。


そして今、この船は"偉大なる航路"をひた走っていた。



*****


「あ〜〜〜〜。あったけ〜〜〜な〜〜〜〜。気持ちい〜〜〜な〜〜〜〜」

「ちょっとルフィ!いくら気候がいいからってだらけ過ぎよ!」


春島が近いせいか、あったかい甲板の上でだらけきっている船長に、航海士がツッコミを入れる。

ここ最近そんな光景がよく目に入るようになった。


「ナミさん。ここまで気候が安定してるって事は、島が近いのかい?」

ラブコックのサンジが、ナミのカップに紅茶を注ぎながらそう聞くと、ナミは笑顔で頷いた。


「うん。分かってるかもしれないけど、近いのは、春島。ロビンが教えてくれたけど、なんか桜が綺麗で、お花見の絶好ポイントみたいよ」

「おはなみ?」

「あれ、サンジ君、お花見知らないの?」

"お花見"と聞いて不思議そうな顔をしたサンジにナミが驚いた顔で聞き返す。


「うん……知らないなぁ…何ソレ?」

「あのね、簡単に言うと、桜を見ながら宴をするの。例えば…そうねぇ、ご飯を食べたり騒いだり。とにかく宴ね」

「宴ェ!?」

ナミのその言葉に反応したのは、サンジではなく、甲板に寝転んで日向ぼっこをしていたルフィだった。


「ナミ!次の島で宴ができるのか!?よし、行こう!すぐ行こう!」

ルフィはそう言って勢いよく飛び起き、いそいそと船首に登った。


「あのね、ルフィ!そんなに早く着くわけない……って言いたいトコだけど、多分今日中には着くんじゃないかしら」

ナミが水平線とログポースを見比べながら言う。


「ほんとか!?」

「おーーーい!なんか島が見えたぞー?」

ルフィがナミの言葉を聞いて目を輝かせたのと同時に、ウソップがみんなに告げた。


「よっしゃ、島だ〜〜〜!宴だァ〜〜〜〜!」

ルフィが島を確認して、嬉しそうに叫ぶ。

「サンジ!飯!弁当つくれ‼」
「ヘイヘイ」
「肉!肉いっぱいな!」
「はいよー」

サンジがキッチンに向かったのと同時に麦わらの一味がゾロゾロと出てきた。


「島についたのか?今度はどんな島だ?」

チョッパーがキラキラした瞳でナミに聞く。


「ん?えっとね、なんか桜が綺麗らしいわよ」
「桜?……桜かぁ!おれ、ドクターの桜しか見たことないからな。楽しみだなぁ〜〜」


ナミが教えると、チョッパーは嬉しそうにエッエッと笑った。

「ふふ。そうね」


チョッパーのそんな様子にナミが微笑む。




そんなこんなで、麦わらの一味は島に到着した。




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