海賊
□腕相撲
1ページ/6ページ
それは、飯の下拵えを終え、煙草をくわえて一服している時だった。
「おい、サンジッッ!!飯はまだかッッ!?」
元気よく入ってきたのはこの船の船長、モンキー・D・ルフィだ。
おれは、いつも同じように言ってくる食いしん坊を越した大食いの船長に、別に驚くことなく、簡単に切り返した。
「まだだ。さっきおやつあげただろ」
そう言って、おれはルフィを指差した。
その手をじーっとルフィは見つめ、突然、意味不明なことを言い出した。
「…サンジ、腕、力ありそうだな。腕相撲しよお!!」
「はァ!?う、腕相撲!?」
何故、腕相撲!?しかもいきなり!?
…まぁ、暇だし、付き合ってやってもいい。
「いいぞ、やろう」
そう返事すると、ルフィは子供のような嬉しそうな笑顔を浮かべ、手を差し出し、椅子へ座った。
「手加減はナシだぞ?」
「望むところだ!!」
そうして、ルフィとおれの腕相撲が始まった。
.