Bemu Bera Bero
□ShortStory
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〜クリスマスはWhite〜
「楽しそうだね」
ふとベロが呟いた。
ベムとベラが辺りを見回す。
確かに、もう午後9時を回るというのに街は明かりに包まれていた。
ショッピングセンターは可愛い玩具やプレゼント用のモノをウインドウに飾っている。
今夜はクリスマスイブ。
クリスマスに備えて大人は子供にプレゼントを用意したりする。
明日用のご飯の材料を買ったりと大変である。
子供はプレゼントを今か今かと待つ。
人間であるならばベロもそのワクワクを味わえたはずだ。
ちらりと覗く家族の団欒にベロが羨みの目を向ける。
「羨ましいのか、ベロ」
ベムが呟く。
ベロはブンブンと首を振る。
「全然!オイラ、羨ましくなんてないよ!」
それが嘘であることにベムとベラはすぐに気づく。
「そうかい。それじゃそろそろ帰ろうか」
ベラが自宅としている廃船に帰る。
ベムとベロも後に続いた。
帰ってすぐベロは眠りについた。
「こんなに可愛いのにどうして妖怪人間なんだろうねェ…」
ベラがベロの寝顔を見つめて呟く。
「ベラ、少し話があるんだが…」
「なんだい?」