SHORT

□たまらねぇ
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俺はいつもの如くトレーニングに励んでいる。

それは強くなりたいからだったんだが、まぁやってくうちに趣味みたいなもんになっちまった。

だからこうして日々トレーニングしてるんだが、最近ではただ強くなりたいだけじゃなくなった。

守りたいもん、いや、守らなきゃならねぇもんが出来たから強くなりたい、強くならなきゃならねぇんだ俺は。

だからか知らねぇが最近では時間を忘れる程トレーニングに集中してる。

昼寝することも飯も忘れてよ。

そんな俺を心配して呼びにくるやつがいる。

それが俺の守らなきゃならねぇ女ハルだ。

ルフィがいつもの気分で勧誘した踊り子で戦えねぇ普通の女だ。

最初は別にただ綺麗だなと思っただけだったが、一緒に旅していくうちに色々知って、す、好き…になっちまったってわけだ!

それからまぁ…何となく良い感じ?になって…つ、付き合えた。

絶対フラれるって思ってたからアイツがOKしてくれた時は柄にもなく目頭が熱くなったのを覚えてる。

それからはし、幸せ…です、はい。

「ゾロ〜」

あ、俺のハルが呼びに来たようだ。

実は密かにハルが呼びに来るのを楽しみにしてるって事はアイツには内緒だ。

やべぇ、顔がニヤケちまう。

それがバレないように俺は逆立ちしてバーベルを足で持ち上げて屈伸を始める。

「もう〜。またトレーニングに集中してるの?お昼ご飯できたってサンジ君が言ってたよ。ほら、もうみんな待ってるからゾロも行こ?」

頬を膨らまして少し怒った仕草をするハルは堪らねぇ。

こんな顔で呼びに来られたら誰だって毎日楽しみにするよな。

「ああ。今行く」

そう言ってバーベルをハルにぶつからないようにゆっくり降ろして汗を拭いて支度をした。

「おら、行くぞ」

「うん!」

ニッコリ笑うこいつも堪らねぇ。

つーか全部堪らねぇ。

そんな俺は末期だな。

しかしそんな事思ってるなんて口にも顔にも出せねぇから必死で耐える。

「あのね、今日の料理私も少し手伝ったの!」

「は?あのラブコックと一緒にか?」

「う、うん」

「………」

「ゾ、ゾロ?怒った?」

上目遣いで聞いてくるこいつも堪らねぇ。

って今はそんな場合じゃねぇな。

俺は今怒ってんだ。

「…別に」

「嘘だー。ゾロ嫌そうな顔したもん!大丈夫だよ?私ちょっとしか手伝ってないから味は保証出来るよ!だから安心して食べて」

はぁ…そっちじゃないんだがな。

まぁこいつは元々超がつくほどの鈍感女だからな。

俺の気持ち伝える時もなかなか理解してもらえなくて苦労したさ。

だから今更なんだがやっぱりここは彼氏としてビシッと言わねぇとなんねぇよな!

「…そうじゃねぇよ。お前俺以外の男と一緒に居たのか?」

少し声のトーンを落として聞いてみる。

「ぁ…ぅん。ご、ごめん」

泣きそうな顔なんだけど頬を赤くしてるのがやっぱ堪らねぇ。

つーか俺今日一体何回堪らねぇって言ってんだ?

それもこれもハルが堪らねぇ顔ばっかするからわりぃんだよな。

こいつ…俺をどうする気だ?

これ以上ねぇくらい俺はお前にベタ惚れだってーのに。

「次からは他の奴んとこじゃなくて…俺んとこに来い」

「え…」

「俺の側にいろ」

「ゾロ…うん!私、ずっとゾロといる!」

嬉しそうに目に涙を溜めて言うハルは綺麗でついつい見とれちまった。

「分かれば良いんだよ」

照れちまった顔を見られないように反らして俺はハルの手を握ってダイニングへ歩き出した。

小さな手はやっぱり俺が守ってやらなきゃならねぇって再確認させる。

俺はハルを失わない為にこれからも日々トレーニングに励むんだ。

「ハル、お前は俺が守ってやる」

「ふふ。うん!頼りにしてるね!」

そう言ってまた花が咲く様に笑ったハルに俺は見とれてしまったんだーーー。









オマケ

ウソップ「アイツら早く中入って来れば良いのにな」

ルフィ「だぁぁぁ!もう腹減ったぞー!」

サンジ「あんのクソマリモ!ハルちゅわんの手なんか握りやがって!許せん!ミンチにしてやる!」

ナミ「ちょっとルフィもサンジ君もうるさいわよ!」




今日もサウザンド・サニー号は賑やかな日常を送っているのだった。








END

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