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□元・拍手お礼A
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「会長、また放送部からお昼のランチタイム放送の出演依頼がきていましたが、どうしますか?」
「お、いいんじゃねーの?」
「分かりました、では明日伝えておきます。」

また気分で物を言っていることは容易に想像がつくけれど、会長がそう仰るなら仕方ない。




「・・・あー。オレは、出ないからね。椿ちゃん。」


「榛葉さん?」
「はぁ?なんでだよミチル。」

「安形がノリ気とか嫌な予感しかしない。」


前回のことを思い出しているのだろう、榛葉さんは珍しく苦い顔をしている。

「ですが榛葉さん、実は今回の出演依頼は会長・・・とあと、榛葉さんにきているんですが。」

「え、オレ?」

榛葉さん自身は前回の出演で大失態を犯したと思っているようだが、実はあの放送後に放送部へ感謝のメールと続編を望む声が多数寄せられたらしい。
なんでも、いつもと違う様子が可愛いかったー!とかなんとか。(クラスの女子談)

「かっかっか!決定だな、ミチル!」
「いやいやいや、どうせまた直前で面倒だとか言い出すんだろ!?オレは絶対に嫌だからな!」
「お、じゃ漫才でもやるか!」
「・・・聞いてないし。」

会長が、がっくりとうなだれた榛葉さんの肩を抱きよせ、耳元で「でもよ、」と囁いた。
思わず目を背けてしまう。お二人は、その・・・前から気になっていたのだが、つ、つつつ付き合って、いるの・・・だろうか。

「お前が出れば女子が喜ぶぜ。お前の仕事なんだろ?女子を幸せにすんのは。」
「それはまぁ、そうだけどさぁ。っていうかなんで漫才なんだよ。」
「ん?昨日テレビで観たから。流行ってんじゃん、イケメン芸人とか。な?いいだろ?」
「またお前は気分でものを・・・。はーぁ、分かったよ。ただし安形!また直前で面倒だとか言うなよ!」

ものの見事に30秒で流されましたね、榛葉さん。優しいのか学習能力がないのか単に馬鹿なのか。
あと会長に念押ししても無駄だと思います。

「おほ、さすがはミチル!じゃ、俺てきとーにツッコミやるからお前ボケ担当な。」
「え?なんか逆じゃない普通?ねぇ、椿ちゃん?」
「確かにそうですね、会長が榛葉さんにツッコミと言うのはちょっと・・・。」

榛葉さんの意見に賛成すると途端に会長の機嫌が悪くなってしまった。

「・・・なに言ってんだお前ら、俺が突っ込むほうだろ、どう見ても。」
「うーん、なんかイメージがなぁ・・・。」
「俺は公衆の面前でお前に突っ込まれる趣味はないぞ。お前に突っ込むなら大歓迎だがな。」

・・・会長、それは漫才の話ですよね?

「なんか安形にツッコミされるって屈辱的だなぁ。」
「あきらめろミチル。体型的に見ても俺だろ。」
「いや、体型関係ないから。」
あああ!・・・もう帰りたい。

「なんだよミチル。お前俺じゃ不満だってか?」
「いや、不満って訳じゃないけどさぁ。」

もう嫌だ。こんな生徒会長嫌だ。というかこんな生徒会自体辞めてしまいたい・・・。

「だってさ、どちらかと言うとオレがいつも突っ込んでるじゃん。ね、椿ちゃん?」
「・・・いえ、お二人のそのような事情まで僕は知りません。」
「椿ちゃんどこ向いてるの!?オレらここだよ!!」


「ぼ、僕は何も知りません。僕は・・・僕はっ!なななっ何も聞いてませ・・・ぐすっ」


「あ、あ、安形ぁーっ!椿ちゃんが泣いてるっっ!!」

「あーあ、もうメンドクセ。おい、よく聞け!!」

「な、なに?」

抱いていた肩を掴んで、榛葉さんを無理やり向かい合わせの状態にした会長。
嫌な予感しかしない。僕は帰りたい。いや、イッソ石ニナリタイ・・・。



「いーかミチル!俺はお前に突っ込みたい!!!」

「・・・安形、一応聞くけど、なんの話してるの?」






 悪ふざけの延長線

(もう勝手にやって下さい!!)

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