You are one of my…

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「・・・あれ?」
おかしいな。オレはちょっと焦ってロッカーをあさる。
「んー?どうした榛葉?」
振りかえると、同じクラスの山本が立っていた。サッカー部のキャプテンだったかな?背が高い爽やかイケメンだ。
「体操服が・・・えーっと・・・忘れちゃったみたいだ。」
「まじで?ジャージで良ければ貸そうか?」
「本当?助かるよ、山本。ありがとう!」
「とんでもない。じゃ、俺は先グランド行ってるな!」


・・・おかしいなー。
オレ体操服はロッカーに置いといたはずだったんだけど…勘違いだったかな。

オレは首を傾げながらも制服の上から山本に借りたジャージを来た。

「おほ?なんだミチル、このくそ暑い時にジャージ着て・・・ダイエットか?」
馬鹿だ。しかもなんでまだ制服なんだ?
「んな訳ないだろ。体操服忘れた?んだよ。」
「なんで疑問形なんだよ。」
「それより早く着替えたら、安形。もうすぐチャイム鳴るよ。」
「あー、うん・・・メンドクセー。」
そう言ってうなだれながらも、テキパキと着替えを終えていた。
「さぁて、行くかぁーあぁ・・・ねむ・・・。」
「もうちょっとやる気出そうよ・・・。」
「そういやお前、体操服忘れてジャージだけ持って来てんの?変な奴だなー。」
「そんな訳ないでしょ。貸してもらったんだよ。」
「誰に?」
「山本に。」
「ふうーん。」
「それがどうかした?」
「・・・別にー?」


グラウンドに出ると、もうみんな集まっていた。この時期でも上下ジャージの人って結構いるんだな・・・。主に女の子だけど。
みんな体操服忘れたんだろうか・・・って、そんな訳ないか。


太陽が容赦なく照りつけてくる。
まだ6月とはいえ、梅雨は終わったし、もう夏だ。
オレはあんまり夏は好きじゃない。暑いのは苦手だし、日焼けも痛くなるから嫌いだ。
けど。今年はなんとなく、楽しくなりそうな、そんな気がする。



□□□

「あと3分ー!!気合入れろー。」
・・・。
ええっと、あの・・・こんな暑い日に限ってなんで持久走なんですか、殺す気か。
普通日陰で鉄棒とかするもんじゃないの?

ありえない、暑い。

3メートルほど前を走っている安形が、なんか余裕そうで腹立つ。
勉強だけじゃなくて、運動も出来るんだよなー。むしろ、出来ないことってあるんだろうか。

オレも、走るのは苦手じゃないんだけど…だけどさ、今日はちょっと、制服のシャツの上にジャージっていう…ね。
なるべく涼しいようにと、下は膝の上まで、上も肘まで捲ってるんだけど、あんまり意味はないかも。

あー、頭痛くなってきた。

ほんと、暑いなぁ・・・。

あ・・・れ?
なんか、急に暗、くなっ・・・た。




「―――!!」

悲鳴が聞こえる。
なにか、あったの・・・か、な
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