Pearl sapphire blue
□ロクゴ!!
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「あんたも同じぃ〜
おいらも同じぃ〜
みんなも同じぃ〜 大体一緒
平凡なぁ〜 しぃあわッせッおぉ〜
せぇ〜かせか追いかけ てぇ〜!」
チヒロの声が部屋に響く。
ソンミンと一緒にソファーに座り、日本で出される「ロクゴ」の歌詞カードを持って歌の練習をしている二人を、キュッヒョンとリョウクは台所から眺めていた。
今日はこの二人が皿洗い当番。ソンミンとチヒロが歌の練習を始めたのは、丁度皿洗いを終えた頃だった。
kh「ヌナのテンション…」
rw「…チヒロは日本に行けるってだけで嬉しいみたいだし。歌詞ももう完璧だよ。すごいよね?」
kh「ヒョンとずっと練習してたしな」
最近は、暇さえあれば日本語の勉強をしていたチヒロ。元々まじめな性格なので、勉強を始めるとしばらく部屋から出てこなくなる。例え夜遅くなっても、自分の切りが良い所まで勉強をしないと眠れないらしい。
そのため、リョウクが夜に珈琲やココアを淹れてチヒロの部屋に持っていったりすることもあった。
rw「ここ最近のチヒロを見てると、受験生のお母さんの気持ちが分かる気がして…」
kh「ほんと良くやるよ」
我ながら出来た姉を持ったものだ。と、マンネ二人がは関心を抱いている一方で――
「本当は、ソンミンオッパのパートが歌いたかったのに…」
チヒロが自分の歌詞カードを眺めながら小さく呟くと、隣に座っていたソンミンは首を傾げた。
sm「え?”あんたの御苦労〜”のとこ?」
「はい!」
sm「なんで?」
なんでと問われると、本人もよくわからない様子で、少し考え込んでから、苦笑する。
「楽しそうだから、です」
sm「あ、そう(笑)」
それがおかしくて、ソンミンは笑いながらチヒロの頭を撫でる。
チヒロはそれを拒まず、擽ったそうに首を竦めるが、はっと気づいたように手を叩いて台所にいるキュッヒョンとリョウクを見た。
「リョウク!キュッヒョン!!」
kh「はい?」
rw「なに?」
「お土産、ちゃんと買ってくるからね!!」
kh「ん」
rw「ありがとう〜」
二人で台所からチヒロに手を振る。
「うん!」
日本に行くのが本当に楽しみなんだろう、チヒロはいつも以上に満面の笑みを返してきた。
それに自然と顔がほころぶ二人。
rw「(今日も可愛いなぁ^^)」
kh「(ヌナらしい…)」
SungMin
sm「チヒロも段々日本語上手になってきたね。Marry Uの日本語版レコーディングした時も思ったけどさ」
そう言えば、隣に座っているチヒロが歌詞カードから視線を揚げて僕を見た。
その目は褒められた小さな子供みたいに輝いていて、思わず笑ってしまう。
「本当ですか?だったらオッパのお陰です。ありがとうございますッ」
sm「いいよー二人で勉強した方が僕も覚えやすかったし」
「じゃ、っじゃあこれからも、ご一緒しても…」
sm「うん。一緒に勉強しよ?」
「謝謝!…じゃなかったカムサハムニダ!!」
sm「ふふ^^〜」
昔からチヒロは礼儀が正しい。
もう家族みたいに仲良くなったのに、メンバー内の上下関係を誰よりも重んじている。下から四番目で、本当のマンネはキュヒョンやキボムだけどあの性格だし(笑)リョウクもいるけど、僕はチヒロが一番マンネらしいんじゃないかなと思ってる。
それに、嬉しくなるととっさに中国語が出てしまうところとか、個人的にツボなんだよね。
チヒロは再び手元の歌詞カードに視線を落とすと、瞳を輝かせたまま口を開いた。
「最近は日本での活動も多くなってきたし、東方神起のオッパ達みたいにちゃんと話せるようになりたいんです」
チヒロはマンネだけど、SJが世界に出ることを誰よりも夢見てる。だから、日本での活動が増えた時も、本当に喜んでいた。
笑顔が消えないチヒロの顔を覗き込む。うん。やっぱりチヒロは笑ってるのが一番いいな。
sm「…チヒロってさ」
「はい?」
sm「なに気にプロ意識強いよね?」
「は…プロ?」
sm「んーやっぱりなんでもないぃ〜^^」
「は、はあ…なんでもないですか?」
sm「うん」
一生離さない I do
「どぉんーな時も、I do〜 世界に終わりがきぃて 「ぱぁん!」!!?」
ku「そこは僕のパートだ」
「ごご、ごめん(@_@;)」
sm/rw「「ww」」
(自分のパートを歌われるのは嫌なキュヒョンさん)