ShinDong
「チヒロ…?なにしてるの?」
只今空の旅をしていますSUPER JUNIOR-Tメンバー、みんなそれぞれ席で好き勝手やっている中、もくもくとある雑誌に線を引いたり、付箋をはったりを繰り返すマンネに、後ろの席から声をかける。
チヒロは後ろを振り返ると、にんまりと笑ってその雑誌をバッと僕の目の前に広げた。
それは韓国語で書かれた日本の観光スポットを紹介する面で、見出しに大きく「日本に行くなら食べなきゃ損!!絶品グルメ紹介!!」と書かれている。そこで、「やっぱりそこはスポットとかじゃんくてグルメなんだ」と苦笑。
「ヒョン!一緒にラーメン食べに行きましょう!あと、「オコノミヤキ」と、「タコヤキ」!!」
「あー美味しいって有名だもんね。俺も食べたいけどそんな暇あるかな?」
そう言うと、先程までうきうきだったチヒロの表情が、「え」と一瞬にして暗くなった。
そしてその表情のまま、雑誌をゆっくりと閉じて、シートに埋もれるように座り込んでしまう。
「そうですよね……遊びに行くんじゃないんですもんね。仕事で行くんですからね、食べられないですよね。折角雑誌まで買ったのに食べられないんじゃ意味ないですよね。こんなものあったて仕方ないですよね」
「え、ちょチヒロ?」
それは恐ろしいテンションの下がり様で、思わず冷や汗をかく。
「大丈夫だチヒロ!ロクゴの活動終わってからMarry Uの発売記念イベントまでは少し時間あるしな?そしたらみんなでラーメンでもオコノミヤキでも食べに行こうよ!」
「…ほんとですか?」
「うん約束!」
「っはい!!じゃあ私、その日のために計画を立てておきます!!!」
うわぁめちゃくちゃ単純だよ。
もうさっきのテンションに元通り。
チヒロの隣で曲を聞きながら、ぐっすりと眠っていたソンミンも、「チヒロどうしたのぉ?なんか楽しそうだけど?」と眠そうに目をこすりながら目覚めた。
そんなソンミンにまた日本のグルメについて熱弁し始めたチヒロ。
まるで高校生が修学旅行に行く時みたいなテンションだ。
「チヒロすっごく楽しそうだね?」
「こういう時は童心に返った方が勝ちですからね!」
って、誰と勝負してるんだろう。
でもまあなんにせよ、元気でいるならそれでいい。
最近は仕事ばっかりで疲れているはず。僕的には、しっかりと睡眠とって、休養を取ってほしかったけど、このチーム活動は日本への進出を果たすためには大切な活動だから、休むことはできなかっただろうけれど。
ソンミンと楽しそうに今後の予定について話すチヒロを後ろから見つめながら、マンネの調子が活動中に悪くならないことを祈る。