短編

□独占欲は愛情の裏返し
1ページ/2ページ



「お前、王子の傍から離れたら殺すからな」

今日、任務から帰って部屋に戻るとベル先輩が自分の部屋かのようにソファーに座ってテレビを見ていた。

しかも第一声が、あれ。

「全く意味わかんないんですけどー」

「だーかーらーいつも通りカエルは王子の傍にいりゃーいーの」

それの意味がわかんないんですけど。
てかいつも通りってミーそんなに先輩にベタベタしてましたっけ?
ベタベタ好きなのは先輩でミーはあまりベタベタしてない気が…

「はぁ……傍ってことは、こう?」

とりあえず先輩が座ってるソファーの端っこに座ってみる。

「遠いし、恋人なんだしもっと近くに来いよ」

「恋人だからといって近くにいる必要はありませーん」

「近くに来いってば」

「ゲロッ」

先輩が急にミーの腕を引っ張る。
そのまま先輩の膝の上に乗せられて後ろからお腹に腕を回された。
ここまでしてくるのは珍しいし流石に心配になる

「どーしたんですかー?」

身体を捻って後ろを向いて先輩の頭を撫でた。

「今日スク隊長と楽しそうに喋ってたから」

「………」

「…オレから離れたら殺すからな」

「誰も離れたりしませんよー」

「ホント…?」

「ホントですー信じてくださーい」

些細なことで嫉妬する先輩、
自分は物凄く愛されてるな、と思う
同時に、嬉しさで口元が緩む。

「…何笑ってんだよ」

「別にー」









今まで鬱陶しいと思ってた嫉妬や独占欲もベル先輩ならいいかもしれない。







next→後書き
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ