短編

□カエルと王子
1ページ/2ページ



「フラン、行くぜー」


先輩は今日も相変わらずの格好良さ、
任務の時だけそれをミーは独り占め。

一番幸せな時間だったりする。


「最初は大っ嫌いなヤツだったんですけどねー…」

「んだとカエル?」

「今は大っ好きだったりしますー」

「なっ…バッカじゃねぇの!?」


ミーがそう言うと顔を真っ赤にする先輩。
そんな顔されると、苛めたくなっちゃうのがミーの性。


「照れてんですかー?先輩ったら可愛いーですねー」

「照れてねーし、可愛くねーし」


あぁ可愛い、耳まで真っ赤にしてソッポを向く先輩にミーの頬までホンノリと赤くなった気がする。


「先輩、先輩、ちゅーしましょ」

「はぁっ!?ヤだし…ぅんっ」


先輩がこちらを向いた瞬間、先輩の後頭部と腰に手を伸ばす。ミーより背の高い先輩に手を回すのは重労働だ。


「んっ…ふ、ぁ…」


先輩の唇を割って舌を入れ込む、そのまま先輩の口内を思う存分味わう。


「んっ、んんーっ」


さすがに息が続かなくなったのか回してた腕を離すと思い切りカエルを殴られた。


「何、すんだ、このクソガエルっ!!」

「あ、先輩息荒いですよーヤラシーですよーもう一回ちゅーしちゃいますよー」


ミーの言った冗談に返ってきたのは鉄製のナイフだけだった。


「ガキは背伸びしてもガキのまんまだっつーの」


相変わらずのガキ扱い。
いつになったら、大人扱いしてくれるのやら


「ミーの恋はまだまだ成就するには時間がかかりそうですー」

「アホか一生かかっても無理だっつーの」
「いつかミーの魅力でイチコロになる予定のくせにー」
「んな予定ねーよ、ガキは黙って王子の後ろにいりゃーいの」


ミーの恋はまだまだ成就するには時間がかかりそう、けれど恋人未満のこの関係も悪くないかもしれない。



next→
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ