短編
□早口言葉
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ベルはニヤニヤと笑いながらフランの隣に座る。
「で、何か浮かんだんでしょー?」
「うん、面白いこと」
「何するんですかー?」
「早口言葉。」
聞き慣れない言葉にきょとんとするフラン、昔から早口言葉など無縁だったためフランには意味すら理解し辛かった。
「代わり番こで早口言葉言って、噛んだら罰ゲーム、シンプルでわかりやすいだろ?」
「…何となくわかりましたー」
「じゃフラン『生麦生米生卵』って早口で言って」
「え…?な、生麦生米生卵…?」
割と噛まずに早めに言えたフランにベルは少しむぅとする
「じゃぁ『赤パジャマ黄パジャマ青パジャマ』」
「これ、代わり番こじゃ…」
「いーから早く」
急かすベルにフランは応えようとする
「あ、赤パジャマ黄パジャマあ★#●⊆Δ…」
急かされたせいか盛大に噛んだフランにベルは爆笑。
こんなに慌てたフランはレアだった。
「はぁ〜慌てたフラン最高ーじゃ罰ゲームな」
今だにケラケラと笑いながら言うベルにフランはむっとする。
「罰ゲームなんてどんとこいですー!」
「罰ゲームはー…
フランからのキスね、しかも濃いの」
「は?」
「だからフランからディープキs…」
「ななな何でミーが!?」
顔を茹でダコのように真っ赤にするフランにベルはニンマリとする
「罰ゲームだから仕方ねーじゃん」
「ほ、他のに変更してくださいよっ!」
「ヤだし、ほら早く」
ベルが自分の唇を指でトントンと軽く叩く。
それを見ただけでフランの頬はさらに紅潮し耳まで真っ赤に染まった。
ベルはそれを楽しそうに見ている。
フランはごくりと唾を飲み腹を括る。
負けたものは仕方ない。
フランはベルの肩に腕を回し顔を近づけていく。
近くなっていく度に高鳴る鼓動。
ドキドキと鳴る鼓動はフラン自信に伝わる。
ベルがフランにキスを頼んだ理由は単にフランからのキスが少ないから、ただそれだけ。
重なる唇に閉じていた目を軽く開けるベル、恐る恐る入ってくる舌に自分のを絡めるとフランもそれに応える、口内で2人の唾液が絡め合う、くちゅくちゅと厭らしい水音が部屋に響いた。
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