短編

□始まりの場所。
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「さんきゅ…」

金髪の少女はフランのハンカチを受け取り涙を拭いた



ずびーっ



「あ、ごめん、思わず」
「あららー…」

効果音通り、金髪の少女は鼻をかんだようだ。

「洗って返す…」
「別にいいですよーそれよりアンタ名前は?」

「人に聞く前に自分が名乗れ」

気が強いみたいだ

「すいませーん1年のフランですー」
「ししっ良い子じゃん、私はベルフェゴール、ベルでいいぜ、あ、でも私は2年だから"先輩"ってつけろよ」

嬉しそうにニカッとベルが笑う。
フランは胸がきゅうんとした気がした。

「話し戻してアレだし聞きづらいですが先輩何で泣いてたんですかー?」
「………それは、」

ベルは少し俯いた。

「…私のこと聞いたことないか?」

ベルフェゴール、ベルフェゴール、ベルフェゴールと、フラン は何度も頭の中で名前を反復すると入学式に隣にいた人に聞いた噂を思い出した。



『2年のベルフェゴールって奴、すげぇ金持ちのお嬢さんがいるんだけど、ソイツ学年全体で理由無しに苛め受けてるらしいぜ』



「あるだろ…?」
「はいー…一度だけー」
「…私には近づかないほうが身のためだぜ?アイツら頭オカシーから」

ベルは座りこんだ。
フランも隣に恐る恐る座った。


「綺麗な髪ですー」

フランはふとベルの髪に手を通した。



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