短編

□Buon Compleanno!
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チュンチュン…と小鳥たちの囀りが聞こえてくる。
冬の眩しい日差しに薄い瞼が眩しそうに引きつり長い睫が瞳を出し惜しむ。
ベルは長い時間をかけ端からは見えない双眸を現した。

目覚めの良い朝に、ベルはもう一眠りしたいと言わんばかりに双眸をぎゅっと瞑って寝返りを打とうとする、
だがベルは寝返りを打たなかった、正確には打てないのだ。

何か重たい物がベルの上に乗っている。
しかもかなり重い。
ただの物、ではなさそうだ。
では一体…?

ベルはチラリと自分の上に乗っている物を見た。

黒い、黒い塊みたいなものが乗っている。
なぜか二か所の出っ張りがある。


モゾモゾ…


「動いた…!?」


まさか、と思い黒い塊を引っ張るとスポンっ、という効果音が出そうな勢いで塊が抜けた。

塊の下にはふわふわとした翡翠色の綺麗な髪。


「やっぱり、」


ベルは笑いながら得体の知れない塊を揺すった。


「んー…あと5分ー…」


お馴染みのフレーズと共にモゾモゾと人の上で寝返りを打とうとするのはフランだった。

先ほどの黒い塊はフランが普段から被っている蛙の帽子だったみたいだ。

帽子を脱がずに寝るということは余程疲れていたのだろう。

そんなのお構いなしにベルはフランを更に激しく揺すった。


「起きます!起きますから止めてくださーい」





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