短編
□初雪
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「初雪ですよー」
通りで朝から寒かったんですねー、などと言いながら窓から外を覗くフラン。
「少し外出てみませんかー?」
と提案するものの、訪ねられた方のベルは朝からだらだらとしていて、いまだにパジャマのまま。
「めんどくさいからパース……」
何もかも面倒ならしく寝転びながらしていたゲーム機も机の上に、
「少しは外出ましょーよー」
いまだ寝転んだままのベルを起こそうとフランはベルの近くに、そのまま腕を掴もうとした。
ぎゅーっ
ベルはフランの腰に手を回し、そのままグイッと引っ張りフランを上に乗っけた。
恥ずかしい絵図にフランの顔は見る見るうちに朱色に染まる。
それを見たベルはニィっと笑った。
「オレの上に寝転んでいいぜ。」
そういうとモゾモゾと言われた通りにするフラン。
今日は抵抗しないらしい。
「良い子、良い子」
小さい子どもを誉めるようにベルはフランの髪に手を通す。
「外、出ましょーよー」
「フラン温かいー」
「………」
全く会話のかみ合わない2人。
フランはムっとしてベルを見るがベルはどこか幸せそう。
一体何がそんなに幸せなのやら、
だが幸せそうなベルを見るとフランまで幸せになってくる。
不思議なものだ。
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