短編
□悲痛な叫び
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元旦、では無いがヴァリアーにお正月がやってきた。
年末から今まで休むことなく仕事をこなしてきたヴァリアーにもやっときたお正月だった。
年末年始は皆が気を緩めており絶好の暗殺機会だと毎年ヴァリアーの正月は遅い。
「先輩、先輩、」
食卓のドアを勢いよく開いたのは新米幹部フラン。
「もぉみんな集まってるわよぉ〜」
「さっさと座れぇっ」
などと聞こえる中フランはポケットからある袋を取り出しボスと幹部全員に配った。
「なにこの袋…」
「ま、まさかっ…」
ガタッと音を立て立ち上がったのは復活して間もないマーモン。
マーモンがこれほど動揺するのは珍しく皆が注目した。
「?」
「こ、これは……お正月の日だけ子供が遠慮無しに親から金を巻き上げる時に使う幻のポチ袋!?お、お前…」
マーモンがフランをじろりと見る。
フランは嬉しそうに口角を上げた。
「流石守銭奴チビのマーモン先輩、大正解ですー」
「よーするに、お年玉入れってことかぁ゛…?」
スクアーロの疑問にフランがコクンと頷く。
「先輩の皆さーん、ミーにお年玉をプリーズですー」
フランの目はキラキラと光っていた。
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