短編
□青色の空
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「まさか、こんな日が来るとはな、フラン…いや、六道骸の方がいいかもな」
「クフフ、感の良い男だ…」
−−−先輩、ごめんなさい…
フランの最後の言葉が脳裏によぎった。
あの日、ミルフィオーレとの最後の戦いが終わったあと、
「フラン、追いてくぜ?」
復活したマーモンを抱きかかえながらヘリに乗ろうとした時、フランは乗ろうとせずこちらを呆然と眺めていた。
「先輩、」
「?」
「ミー…乗れません…」
「ヘリに?」
オレが茶化すように言った。
フランは俯いたまま唇をぎゅっと結んだ。
「……フラン?」
「ミー…ヴァリアーに帰れません」
「は?」
フランの言葉が理解できない。
オレはフランを見つめることしか出来なかった。
フランはオレがあげた蛙の被り物を脱いだ。
「ミー、実は黒曜のスパイ、だったんですー…ずっとヴァリアーの情報を、師匠達に流してたんですー…」
「え…?」
信じられない言葉だった。
フランの頬に涙が流れていた。
「先輩、ごめんなさいっ…」
「ちょっ、待てっ…」
フランは森の中に消えていった、それ以降、フランが姿を表すことはなかった。
「良いかぁ、よく聞け」
スクアーロが書類を見ながらオレ達幹部に話す。
今は重要な会議中だ。
「フランを反逆者として殺害する、あとフランが属する黒曜の一味も潰すことになった。フランの殺害を担当するのはベルだぁ、ベルがフランを殺してる間にオレ達が六道骸、柿本千種、城島犬、M・Mを殺害する、これはオレとボスとマーモンの意見で決まったことだぁ異論はあるかぁ?」
「あるわねぇ」
普段なら嬉しそうに話しを聞いているルッスーリアが不機嫌そうに手をあげて言った。
「ベルちゃんにフランちゃんを殺害させるのはあまりにも酷じゃないかしら?2人は恋人同士だったのよ?そこら辺を考えて…」
「考えての結果だぁ、ベル相手ならアイツも本気は出せねぇだろぉ。ベル、出来るよなぁ?」
一瞬、みんなの視線がオレに集まった。
「当たり前じゃん、だってオレ、王子だもん。」
オレは即答した。
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