短編

□ミーの彼氏は甘党なんです。
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ミーの彼氏は甘党なんです。


『無類の甘党。』


『偏食家。』


皆にはそう呼ばれたりもするミーの彼氏、ベルフェゴール。




昔、というより、ミーがヴァリアーに来る前は普通だった。


普通だった彼はミーが隠していた絶品ケーキを摘み食い。


それが原因で彼は魔法にでもかかったかのように甘い物に溺れていった。


部屋の中はいつもチョコや生クリームなどの匂いが充満し、重たい。10分いるだけで胸焼けしそうなそこに彼はいつも幸せそうにいる。甘い物片手に。


仕事をしているから肥満になりやしないが糖尿病とかが心配だったりもする。


今日この頃。



「説明長いし、王子のケーキどうしてくれんだし、あのケーキはなぁオレの部下が3日並んで手に入れたケーキなんだぜ?オレ超楽しみにしてたのに、どうしてくれんの?」



「先輩の部下に同情しますー」



「あー…もう楽しみにしてたのにぃ……」


子供の様に拗ねる彼。


「ホットミルクついできますからー、ね?」


「ココア、飛びきり甘いココアがいい……やっぱ溶かしたチョコでいーや」



「糖尿になりますよー?」



「ならねーよ、だって王子だもん」



その自信過剰な所が逆に心配なのに。


言っても聞かないのは経験上、重々承知。



渋々キッチンへ行き手慣れた手順で板チョコを細かく砕いて湯煎する。



固くならないように牛乳を入れるのはプロ並になったミー。




甘い甘いホットチョコを彼の前に出すと彼は嬉しそうにホットチョコに口を付ける。その幸せそうな顔は無垢な子供と変わらない。



「ねー、フラン」


「何ですかー?先輩。」







「王子、フランも食べたいなー」







ニヤリと笑う彼の顔は無垢な子供と変わらなかった。








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