短編

□メッセージカード
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2月17日。


バレンタインが過ぎカップルが一番ふわふわとしている時期だ。


やっと師匠からの外出許可が出て、4日ぶりの学校。


(先輩、いるかなー…)


「あっ…」


いた。
先輩は(先輩の)先輩を弄って遊んでた。


「あーフランだー」


「熱は大丈夫なのかぁ?」


先輩たちはこっちに気付いたみたい。
ヒラヒラと手を振っている。


「相変わらずですねー馬鹿な先輩共ー」


「お前の減らず口もな」


しししっと笑う先輩。

ミーはコイツのどこを好きになったんだろう。


「先輩ー遅れましたがー…バレンタインちょこですー」


「お前がかぁ…意外と乙女してたんだなぁ…」


「失礼なロン毛ですねー」


先輩たちにチョコを渡す。

見た目は同じ。

でも中身は違う。

先輩は生チョコ。先輩はクッキー。

先輩はメッセージカード付きで、先輩はメッセージカードがない。





メッセージ、ちゃんと読んでくれるかな…?



「あーオレそろそろ帰ろ」


「先輩何か用事あるんですかー?」


「なんか疲れた。」


「お前来年進級出来ねぇぞ?」


「オレ単位はバッチリだから」


じゃねー、とヒラヒラ手を振りながら先輩は鞄を持って帰って行った。


まだ一時間目すら始まっていないのに。


「相変わらず自由人ですねー」


「そぉだなぁ」


ニヤニヤとこちらを見るロン毛。


「キモイですー」


――ヴーッヴーッ


突然ポケットのケータイが揺れた。


「王子様からの呼び出しかもなぁ」


相変わらずニヤニヤ笑う先輩。






「死ねよロン毛。」










先輩の読みが当たっているのが少しイラッときた。









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