宝物箱

□それは花よりも美しく
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<それは花よりも美しく>




週末が見頃だという天気予報を信じて、沢山のお弁当を作って花見へ。




「まだちょっと寒かったなぁ」



「そうですね。でも、その分人も少ないですから」



とりあえず、作ってきたお弁当は車の中。


この気温。傷む事は無いだろう。


まだ満開とは言えないが、七分咲きだろうか?


今日を逃したら、次は散ってしまった後だったかもしれない。




しばらく桜並木を歩いていると、少し強い風が吹いた。


舞い上がる桜の花びら。


ひらひらと舞い散る中、新八さんを見ると遠い目をしながら何かを考えていた。


その顔が、姿があまりにも美しく儚く見えて、繋いでいた手をぎゅっと強く握った。




「お?どうかしたか?」



「・・・なんでもないです」



そのままどこかに行ってしまう気がしたの、なんて言えない。


そうか?と言いながら、私の髪の毛についた花びらを優しく落としてくれる。



「冷えちまうから車に戻るか」



そう言って来た道を戻ろうとしたら、また強い風が吹いた。


また舞う花びらに見とれていると、不意打ちの様にキスをされた。


驚いて目を見開くと、ちょっと困った様な不安げな顔の新八さん。



「・・・悪い・・・何か消えちまいそうでよ」



新八さんの鍛え上げられた腕に、ぎゅっと抱きしめられながら
自分と同じ事を考えてくれた事が嬉しくて、今度は私からキスをした。



来年の花見はもっと暖かいといいな、と思いながら。



--- end ---

「今夜、君を抱いて」の密様に、6000hitフリリクで頂きました。
キスあり・お花見デートという設定で、素敵な新八さんに桜吹雪のなかでチューしてもらっちゃいました!!

嬉しーーー♪

でも私、髪に付いた花びらを取ってくれた時点で興奮して憤死してるかも……(^^;)

密様、ありがとうござました!!

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