僕等の想い出
□〜Story・1〜
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幸「ふぅ・・・寒いなぁ・・・」
時は1月。年も明け、気持ちも新しくなる。
そんなおめでたい時でも、俺は君の事ばかり考えてる。
今日は会えるかな・・・――。
幸「・・・あ!」
窓の外を見るとそこにはキミと、キミの主治医が居た。
キミが楽しそうに笑ってる。
そんな風景を見ながら、俺はその主治医に少し
ヤキモチを焼いたって言うのは内緒ね。
幸「ふふ、今日も可愛いなぁ・・・」
誰にも聞こえないような声でそう呟いた。
と、その瞬間キミがこっちを見た。イキナリの事で驚いた。
今、心臓がヤバいっ・・・///不意打ち過ぎだよ・・・。
と、手を振っていたから俺も振り返した。
幸「俺も、外に行こうかな・・・」
キミといっぱい、いっぱい話したいしね。
とりあえず、看護婦さんに話して俺は外に出た。
そして、キミの元へと向かう。
キミの元まで行くと、キミは軽く微笑んで、
『こんにちは、幸村さん』
と、言った。だから俺も、
幸「こんにちは」
と、返事をした。
挨拶するだけでも俺は嬉しくて、自然と笑顔になる。
『今日、寒いね』
幸「そうだね・・・」
『こんな日にはこたつに入りたくなるなぁ・・・』
幸「あぁ、そうだね」
こんな他愛のない会話でも、俺は幸せだ。
だって俺が知らないキミの表情が見られるから。
そんな些細な事でも幸せに感じてしまう。
不思議だね。こんなキモチ、誰にも感じたことないのにね。
これが恋ってやつなのかな・・・?
幸「今日は何描いてたの?」
『あぁ・・・コレだよ』
幸「鳥、か・・・」
『うん、そうだよ。私、鳥って好きなんだ』
幸「そっか」
『幸村さんは鳥、好き?』
幸「うん、好きだよ」
まぁ、キミの方が好きだけどね。
なんて、絶対言えない。
だって、言ってしまったらこの関係がなくなってしまいそうで怖いじゃないか。
幸「・・・そろそろ肌寒くなってきたし、ロビーに戻るかい?」
『うん、じゃぁそうしようかな。寒いと体に悪いしね』
幸「そうだね」
俺達は病院のロビーに戻った。