短編

□君に触れたい
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爽やかな風が吹いた。



校庭の木々を揺らし、噎せ返るような葉緑の匂いが届く。


夏の暑苦しい熱気でもなければ、冬の凍えるような冷酷さも持ち合わせておらず、ただ自然と頬を撫でて通り過ぎていく。


そんな柔らかい、優しい風。







「はよ!蒼!!」





後ろから、声をかけられ、体がビクッ…と、反応する。


おそる、おそる後ろを振り返る私。






この声の主は…



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